頭痛にお悩みの皆さん、その頭痛、肩こりからくる頭痛かもしれません。「そう言えば・・・」なんて心当たり、ありませんか?
肩こりがひどいのは、肩や首まわりの筋肉が緊張し、血流不足になっているということ。この筋肉の過度な緊張と血流不足は、頭蓋骨の筋膜にまで影響を及ぼし、「緊張型頭痛」を引き起こす場合があります。
「頭が圧迫される感じ」を覚えたら、もしかしたら肩こりが原因かもしれません。
肩こりからくる頭痛「緊張型頭痛」 について、その特徴や対策、予防法についてご紹介します。
肩こりからくる頭痛「緊張型頭痛」 とは
頭の両側を何かにググッと押さえつけられるような頭痛、不快ですね。しかもめまいや浮遊感を伴ったり、頭全体が割れるような圧迫感と強い痛みが生じる頭痛。この締めつけられるような感覚の頭痛を感じたら、それはもしかしたら、肩こりが要因となって起こる「緊張型頭痛」かもしれません。
これは比較的女性に多い頭痛で、頭痛持ちの頭痛の中では多数派のタイプの頭痛と言われています。
そのメカニズムは、ひどい肩こり、つまり頭部や頚部の筋肉に過度な緊張が加わることで血流不足が起こり、頭蓋骨を覆う筋膜の感受性が増大し、痛みを感じる神経が刺激され、「頭痛」という症状となって現れるというもの。つまり、頭から首、背中にかけての筋肉のコリやハリが、頭に強い圧迫感を伴う痛みを引き起こしているわけです。頭蓋骨を覆う筋膜にまで影響を及ぼす肩こりって、考えただけでも少し怖くなります。
では、なぜ、不快な頭痛を引き起こすほどに、頭部や頚部の筋肉の過度な緊張と血流不足が起こるのでしょう?
その答えは、この頭痛が夕方や仕事の終わり時間に起こることが多い、という現象がヒントになります。
肩こりからくる頭痛には起きるタイミングがある
肩こりの要因のひとつに「長時間同じ姿勢や作業を続ける」ことがあります。肩こりが要因となって起こる「緊張型頭痛」は、まさにこの要因が犯人。特にデスクワークでの下を向いた作業の連続や、画面を凝視し続けるパソコンワーク、身体的なストレスの溜まりやすい車の運転など、ひとつの作業に集中するあまり、うつむき加減の姿勢が何時間も経過、なんていう状態が要注意。知らず知らずのうちに、頭から首、背中にかけての筋肉は酷使され、過度の緊張を強いられた結果、カチカチにこわばり、血液も流れにくくなって酸欠状態になっているのです。これでは頭蓋骨を覆う筋膜にまで影響を及ぼしても仕方ないですね。
「緊張型頭痛」が夕方や仕事の終業間際に起きやすいのもこうした理由から。集中も大事ですが、きちんと休憩時間を設けて、肩こりや頭痛を防ぎましょう。
また、慢性的に精神的ストレス過多の人や、睡眠不足の人なども同様に「緊張型頭痛」を起こしやすいと言われています。心当たりがある場合は注意し、できるだけ生活習慣を改善していきましょう。
ただし、もし、その頭痛とともにめまいなど複数の症状が重なる場合は、自己判断せずに専門医を受診してください。
肩や首の筋肉に負担をかけない生活習慣が、肩こりからくる頭痛の予防のコツ
肩こりからくる頭痛の「緊張型頭痛」を起こさないための対策は、そのまま肩こりを起こさないための対策につながります。身体的・精神的ストレスの溜まりにくい生活を心がけることはもちろんですが、毎日のちょっとした習慣や心がけが肩こりからくる頭痛を予防するコツになります。どれも当たり前と言えば当たり前のことですが、いつもできるだけ意識しながら続けてみてください。
同じ姿勢のまま長時間過ごさない
デスクワークならときどき立ち上がる、伸びをする、少し歩くなどの配慮を。同じ作業を続けなくてはいけない状況なら、休憩を入れることを忘れずに。そしてスマホやパソコンの使いすぎはほどほどにしましょう。肩こりを感じる前に、まずは「動く」ことがポイントです。
車の運転も2時間に1度は休憩を入れてください。これは事故防止にもつながるので大事ですよ。
悪い姿勢を正す
まずは普段から身についてしまっているスマホ首や猫背を正すことです。
立っているときは、頭頂部を上から吊るされている感覚を常に意識しましょう。街を歩いているときに、ときどきウィンドウなどで自分の姿勢をチェックする習慣をつけるといいですね。
また、デスクや食卓に座る椅子の高さにも気を配り、骨盤が立っている状態になるよう調節します。
正しい姿勢は肩こりや頭痛を予防するばかりか、美しく健康な生活を送るためにも大事な基本中の基本です。軽い筋トレやストレッチをする気持ちで、意識的に正しい姿勢を心がけましょう。
不適切な枕をやめる
普段使っている枕の高さは首に過度の負担をかけていませんか?起床時に肩のハリや痛みを感じるようであれば、それは枕が原因かもしれません。
高すぎる枕や小さい枕は首や肩の負担となり、筋肉を緊張させてしまいます。後頭部から首筋、肩までを自然なカーブで支える枕で、自然で無理のない寝姿勢を維持しましょう。快適な睡眠は、肩こりはもちろん頭痛予防にも大切です。
運動不足を改善する
長時間同じ姿勢や作業を続けることが「緊張型頭痛」を招く1番の要因です。つまり、身体を動かさないでいると、筋肉が緊張するばかりでよいことはありません。その場で両肩を上げ下げしたり、首を左右に傾けたりまわしたりするだけでも大きく違います。
また、頭痛を感じたら、全身の力を抜いてリラックスし、手のひらで頭の両側をマッサージするのも有効です。
1番のおすすめは、普段から運動習慣をつけるようにすることです。ウォーキングでもストレッチでも構いません。筋力をつけ、血行を促し、筋肉疲労が生じにくい体質をつくることは、筋肉のこわばりを防ぐことにつながります。ラジオ体操やベッドで寝ながらストレッチなども有効です。
肩こりからくる頭痛を予防するために、これらの予防のコツを実践し、肩こりの解消を目指しましょう。
「緊張型頭痛」の対策&予防のための体操
肩こりからくる頭痛の「緊張型頭痛」対策に、「普段から運動習慣をつけるように」と言われても何をしていいのか悩んでしまう人におすすめの、手軽な体操をご紹介します。
短い時間で簡単に、首や肩まわりの筋肉をほぐすことができ、肩こりはもちろん、肩こりからくる頭痛も予防することができます。ぜひ習慣にして、肩こり知らず頭痛知らずの体質になりましょう。
[肩こり・頭痛予防に①腕振り体操]
1)ひじを軽く曲げて両手を胸の前に水平に持ってきます。足は軽く開いて。
2)その状態で、両肩を腕ごと左右に振ります。頭は正面を向いたまま、動かさないようにします。
3)左右交互に2分間を目安に行いましょう。
[肩こり・頭痛予防に②肩をまわす体操]
1)ひじを軽く曲げて、握りこぶしを鎖骨のあたりにもってきます。足は軽く開いておきます。
2)その状態で両肩をリュックサックを背負うイメージで前にまわします。
3)次に、両肩を上着を脱ぐイメージで後ろにまわします。
4)前まわしと後ろまわしを交互に10回ほど繰り返しましょう。
まとめ
仕事も遊びも、何ごとも集中することは大切ですが、根を詰めすぎるのは肩こり防止のためにはよくありません。
夕方や仕事終わりに頭が締めつけられるように痛くなったら、もしかしたらそれは根を詰め過ぎた証拠。もう少し力を抜いてリラックス。そして筋肉をほぐすように少し動いてみましょう。気づけば肩こりや頭痛が解消しているかもしれません。
肩こりからくる頭痛を起こさせないポイントは、首と肩まわりの筋肉に過度な緊張を与えないように気を配ること。肩をぐるぐる、首をぐるぐるこまめに動かして、気分も軽くがんばりましょう!