肩凝りが起こりやすい筋肉
疾患・症状
僧帽筋など首の筋肉と肩こりの関係 – 肩の痛みの種類
今や国民病ともいわれている肩こり。現代人の生活は、長時間のデスクワーク、パソコンやスマホの使いすぎなどにより、首や肩に大きな負担をかけています。たかが肩こりと軽んじているとコリが痛みへ変わって、つらい症状に悩まされることに。放っておくと、頭痛や吐き気、めまいといった全身の不調につながる可能性もあるので、早めの対処が必要です。
そもそも肩こりとは?
実は、肩こりは、正式な病名ではありません。首の後ろから肩、背中にかけての不快な症状の総称です。首や肩の関節は、からだの中で最も可動域が大きく、また重たい頭部と腕を支えているため、常に緊張を強いられています。肩こりが起こるのは、首まわりにある筋肉がこわばって硬くなり、筋肉にある血管が収縮して血行不良を招くからです。血行が悪くなると、肩の筋肉にたまった疲労物質や痛み物質がうまく排出されず、神経を刺激して、コリや痛みが生じると考えられています。
肩こりに関係している筋肉
首の周辺には、さまざまな筋肉が存在しています。肩のコリや痛みに関係する筋肉をご紹介します。
僧帽筋(そうぼうきん)
首から背中にかけて広がっている筋肉で、肩こりに大きく関わっています。僧帽筋に問題があると、肩をすくめたときに痛みが起こります。
肩甲挙筋(けんこうきょきん)
首と肩甲骨をつなぐ筋肉です。僧帽筋とともに、肩をすくめるときに働きます。首筋下から肩にかけてコリや痛みがある場合、肩甲挙筋が硬くなっている可能性があるでしょう。
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
首の側面にある大きな筋肉で、鎖骨や胸骨につながっていることから名付けられました。首を曲げたり、回したりするときに使います。胸鎖乳突筋が凝り固まっていると、首を前に傾ける動作がつらくなります。
頭板状筋(とうばんじょうきん)
首の後方にある筋肉で、首を伸ばすときに使います。「首を後ろにそらすと痛い」という場合は、板状筋のコリが関与しています。
菱形筋(りょうけいきん)
僧帽筋の深部に存在する筋肉です。筋肉を縮める働きがあります。菱形筋が緊張すると、肩甲骨の動きが妨げられ、肩こりや猫背の原因になります。
日本人は肩こりになりやすい?
日本人は、欧米人に比べると肩こりになりやすいといわれています。その理由のひとつが、骨格や筋肉の違いです。日本人は、頭が大きいわりに、首から肩にかけての骨格や筋肉がきゃしゃにできています。特に、中年期以降になると骨量や筋肉が衰えて、肩こりが加速する可能性も考えられるでしょう。そうなる前に、首まわりの筋肉をしっかり鍛えることが大切です。
このように肩こりには、肩・首周辺の様々な筋肉が関わっています。これらの筋肉に疲労物質を蓄積しないよう、上手にケアしていきましょう。