猫背を治そう
姿勢の良さを左右するのは、背中のS字カーブ
背骨は、椎骨という小さな骨が並ぶことで成り立っています。首の頸椎が7個、胸の胸椎が12個、腰の腰椎が5個、つらなっています。正しい姿勢とは、身体を横からみたときに背中から腰までがS字カーブを描いている状態です。
なぜ、正しい姿勢はまっすぐではなくS字カーブなのか。それは、二足歩行の場合、背骨がS字カーブを描いている方が重力の負担を軽減し、なるべく身体に負担をかけず速やかに行動しやすくするためです。腰や背中が丸まったり、逆に首の可動域が狭かったりすることで、姿勢全体に悪影響を及ぼしたりする場合があります。
正しい姿勢が保ちにくい現代人
パソコンやスマホを使うことが増えた現代人は、首の位置が前に出すぎて頸椎が直線となり、首や背骨に負担がかかりやすい環境で生活をしています。
デスクワークやスマホを操作するときは画面を覗き込もうと前屈みになるため、姿勢は自然と乱れがちに。無理な姿勢のまま何時間も過ごし、気がついたときには肩や腰に大きな負担をかけてしまい、慢性的な身体のトラブルにつながることもあります。姿勢を良くすることが健康面においてどれだけ大切かがわかります。
出典元:
※Alf Nachemson.「The Lumbar Spine An Orthopaedic Challenge」.Spine,1976
日本人は世界一座っている民族!?
皆さんは1日何時間、座っていますか?世界の座っている時間の平均は約5時間といわれています。それに対して、日本人は約7時間。日本人の座っている時間は、世界中でもっとも長いといわれています※1。
座っている姿勢は、気を抜くと背骨が丸まり、肩が落ち、下腹が出てと、時間が経つにつれて姿勢がどんどんくずれてしまいます。そんな姿勢を長時間続けていると、腰をはじめ、首や肩、腕などに負担がかかり、疲労が蓄積しやすくなります。
現代人は、姿勢をくずして座り続けることのリスクと正しい姿勢の重要性について、改めて考える必要がありそうです。
※1Bauman A, Ainsworth BE, Sallis JF, HagstrÖmer M, Craig CL, Bull FC, Pratt M, Venugopal K, Chau J, SjÖstrÖm M; IPS Group. The descriptive epidemiology of sitting. A 20-country comparison using the International Physical Activity Questionnaire (IPAQ). Am J Prev Med. 2011 Aug;41(2):228-35.
姿勢の悪さが引き起こす様々な身体のトラブル
姿勢が悪いと身体の一部に極端な負荷がかかるため、身体のトラブルを引き起こしやすくなります。
また、姿勢が悪いために呼吸が浅くなり、十分な空気を体内に取り入れることが難しくなります。身体は緊張状態が続き、疲れが取れにくい・集中力が続かないなど普段の生活にも影響を及ぼすことがあります。
人間の身体はいろんなところでつながっているので、「姿勢が悪い」が引き金となって、様々なトラブルに繋がることがあるのです。
メンタル面にまで影響のある「姿勢」
おうち時間が増えたことで、なぜか気分が落ち込みやすい、仕事や勉強へのモチベーションが起きない、なんてことはありませんか。メンタル面への影響については、さまざまな原因が考えられますが、そのひとつに「姿勢と気持ちの関係」があります。
人が落ち込んでいたり、悩んでいる姿を想像してみてください。きっとその人は背中が丸く前かがみの姿勢になっていませんか?逆に自信のある人、前向きに頑張ろうという人はどのような姿勢をしているでしょうか?胸を張って背筋が伸びていると思います。デスクワークなどでも「よし!やるぞ」となった時、スッと良い姿勢になっていないでしょうか?身体を起こして背筋を伸ばすだけで集中して前向きな気持ちへのスイッチが入ったりもします。毎日正しい姿勢を意識することで気分的な落ち込みも少なくなるかもしれません。とある実験では、前かがみの状態でネガティブな気分に浸っていても、直立の状態にしてその姿勢を保つようにすると、次第にポジティブな気分になりやすいとも報告されています。それだけ、姿勢によって気持ちは左右されるものと考えられます。
正しい姿勢の大切さを提唱する大藤武治先生(Style監修)
カイロプラクターとして、一人ひとりに合った身体に優しく効果的な対処方法を日々研究する大藤武治先生。Styleの開発・改良に、プロの視点からアドバイスをいただいています。「正しい座り姿勢をとるためには、身体と椅子の隙間を埋め、しっかり支えることが重要」と語ります。
大藤武治先生 プロフィール
セントラルカイロプラクティック
カイロプラクター
・横浜医療専門学校/福島医療専門学校カイロプラクティック講師
・全国柔整鍼灸協同組合カイロプラクティック&オステオパシー研究会講師
・キネシオテーピング協会指導
・JCCA(日本コアコンディショニング協会)ADV
姿勢の良さを意識し、日常的にケアを
姿勢が良くなることで、人生のQOLが全方位アップ!
間違った姿勢によるボディバランスのくずれは、さまざまな不調を招くおそれがあります。日常生活で正しい姿勢を意識しながら、座る、立つ、動く、ストレッチなどを続けるだけで、QOL(クオリティオブライフ)を高めることができるもの。正しい姿勢は、「心地よい毎日」、「輝く未来」をつくります。姿勢を良くすることはあなたの人生をより良いものに変えていくでしょう。
正しい姿勢を続けることで、期待できるメリットとは?
姿勢を正しく保つことで、得られるものは想像以上にたくさんあります。身体の歪みを解消することで、人生は驚くほど快適化します。
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歪みによる身体の負担を軽減
姿勢の歪みによって、重さやだるさを感じてしまう身体。何をするのも面倒になっていた日々も、正しい姿勢を意識し、ボディバランスを整えることで、いつでも軽やかに動ける状態に。正しい姿勢で、毎日の快適さがぐんと高まります。
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お腹も引き締まりスタイルアップ
姿勢がくずれた状態では、背中が丸まりぽっこりお腹に。人は正しい姿勢を保とうとすると、背筋はまっすぐ、お腹は引き上げられてスッキリします。良い姿勢を保つことで次第に背中やお腹の筋肉も鍛えられ、理想のボディラインへと導きます。
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日々の正しい姿勢で体幹を強化
正しい姿勢を保つことは、腹筋や背筋を中心に全身の筋力を強化し、体幹そのものを鍛えることになります。体幹がしっかりしていると、加齢とともに減少する筋肉量の減少に歯止めをかけ、いつまでも若々しく行動的な毎日を過ごせます。
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しなやかな身体で健康寿命アップ
姿勢の歪みによって腰や首、肩に違和感を感じると、本来の運動能力にストップをかけてしまうこともあります。正しい姿勢で違和感のない状態になれば、柔軟性、可動域も改善。しなやかに動ける身体で健康寿命アップが目指せます。
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慢性的なお悩みから解放されて集中力アップ
腰や首まわりなどの慢性的なお悩み。その影響で、集中力が下がることに・・・。さらに、背中が丸まっていると肺が圧迫され、脳へ届く酸素量が低下し、十分に働きにくくなります。姿勢の歪みをケアし正しい姿勢を保つことで集中力アップも期待できます。
日常的にケアすることで、身体のトラブルのない毎日を目指そう!
姿勢がくずれると引き起こされる様々なトラブルや、正しい姿勢で過ごすことのメリットを意識して、自分の身体をケアし、いたわることで、健やかな毎日を取り戻すことができます。
正しい姿勢に導くアイテムを使って、快適な毎日を!
正しい姿勢をジャマする生活習慣について見直してみましょう。たとえば、パソコン作業中の座り方、スマホを見る時の首の角度など、くずれた姿勢を長時間続けていませんか? 正しい姿勢を習慣づけられるよう、椅子や机の高さを見直したり、姿勢ケアアイテムを取り入れたり、出来ることから始めてみましょう。いつも正しい姿勢を意識し、身体のトラブルの元凶を取り除くことで、快適な毎日がスタートします。
日頃からセルフケアを続け、体幹を鍛えよう!
正しい姿勢を続けることは、常に身体の軸を鍛えることにつながります。身体の軸がしっかりとしていれば、良い姿勢を保てれば、ボディラインのくずれや歪みも防げます。日常生活にセルフケアをプラスすることで、年齢や環境に関係なく元気な身体へ。いつまでも自分らしく輝ける明日のために、未来のために、今日から手軽なボディメンテナンスを始めませんか。