捻挫の応急処置
捻挫の症状と原因、効果的な応急処置
スポーツ外傷で最も多いのが足首の捻挫です。しばらく運動ができなくなったり、普段の生活にも支障がでるので気をつけたいところですね。スポーツをする人なら知っておきたい、捻挫の症状や原因、応急処置を確認してみましょう。
捻挫とはどういう状態?
捻挫とは呼んで字のごとく「捻る(ひねる)」「挫く(くじく)」ことです。関節に不自然かつ強い力がかかって、靱帯(じんたい)が損傷した状態を指します。足首、手首、指の付け根、肩、ひざなど、関節のある部分ならどこでも起こりえます。そのうち、スポーツ活動中に最も頻発するのが足首の捻挫。ジャンプからの着地や切り返し動作、他の選手との接触プレーなどの場面で多く発生します。
足首捻挫は、足首を内側に捻って生じる内反捻挫と、外側に捻って生じる外反捻挫の大きく2種類に分けられます。足関節の構造上、足裏が内側に向く内反捻挫がおよそ9割を占めるといわれ、その多くは外側くるぶし周囲にある靱帯の損傷です。また、バレーなどの競技で多く発生する突き指も捻挫のひとつです。そのほか、交通事故の代表的なケガである頸椎捻挫(むちうち症)、腰椎捻挫(ぎっくり腰)などがあります。
捻挫の症状と応急処置
捻挫の主な症状は、痛みと腫れです。靱帯の損傷具合によって、次の3つのレベルに分類されます。
- ・レベル1:腫れも痛みも軽く、一時的に靱帯が伸びている状態
- ・レベル2:靱帯の一部が切れている状態
- ・レベル3:靱帯が完全に切れており、関節が不安定な状態
靱帯は関節を構成する骨を固定する役割があるため、緩んだり、切れたりして機能をはたせなくなると、歩行などの動作に支障をきたします。
捻挫した場合は、応急処置として患部を氷のうや冷たいタオルで冷やし、炎症を抑えます。関節が動かないようしっかり固定して、むやみに動かさないようにしてください。
通常は数日から1週間ほどで治りますが、治療を怠ったり、間違った処置を行うと、治りにくくなることがあります。完治するまでは、運動やマッサージを控えて、安静に過ごしましょう。温めると逆効果になるので、受傷後2、3日は入浴を控えるのが賢明です。
腫れや痛みがひどく、内出血を起こしている場合などは、捻挫だけではない可能性があります。たかが捻挫だと軽く見ず、おかしいなと思ったら早めに病院を受診しましょう。