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猫背と肩こり解消方法

猫背』の原因は?自宅でできるチェック方法と改善ストレッチをご紹介

「猫背の姿勢が気になる」「猫背を改善する方法が知りたい」。このような悩みのある方はいませんか?
猫背を続けると、肩こりや腰痛といった体のトラブルを引き起こす可能性があります。そのため、少しでも猫背を改善・予防したいものです。
今回は、猫背の原因や自宅でできる簡単なチェック方法、改善するためのストレッチをご紹介します。

猫背とは?

本来、人間の背骨は「脊椎の生理的弯曲」と呼ばれる、自然にS字カーブした状態を保っています。具体的には、首の部分にあたる頚椎は前弯(前方凸のカーブ)し、背中の部分にあたる胸椎は後弯、腰の部分にあたる腰椎は頸椎と同じように前弯しています。

猫背とは、丸まっている状態の胸椎がさらに強く丸まってしまい、猫の背中のように丸くなっている状態のことを指します。猫背の他に「円背(えんぱい)」や「胸椎後弯(きょうついこうわん)が強くなる」とも言われます。

人間の体は 脊椎が自然なS字カーブ状になっていることで、肩や腰に無理な負担がかからないようになっていますが、猫背になると無理な負荷がかかり体に不調をきたしてしまうリスクが高まります。

猫背のチェック方法

猫背かどうかは、壁を使って簡単にチェックすることができます。壁を背にして普段の姿勢で立ち、そのままの姿勢をキープしながら壁にくっつくように下がります。この時、体のどの部分が壁に付いているかと、付いていない部分の隙間の程度で、以下の4つの姿勢に判定できます。

 

チェック結果

  • 腰と壁に手のひら程度の隙間がある、踵(かかと)と後頭部が壁に付く…「①良い姿勢」
  • 腰と壁の隙間に手が入らない、踵と後頭部が壁に付かない…「②猫背」
  • 腰と壁にげんこつくらいの隙間がある、踵と後頭部が壁に付かない…「③反り腰」
  • 腰と壁の隙間に手が入る、踵が壁に付かない、後頭部が壁に付かない…「④ストレートネック」

 

背中が丸くなる「②猫背」は本来腰椎で見られる適度に反った状態が減り、壁との間に隙間がなくなった姿勢です。猫背の方の多くが「④ストレートネック」にも当てはまります。

 

猫背の原因

猫背の原因は「身体的な問題」と「生活習慣の問題」の2つに分けられます。身体的な主な問題としては、運動不足などで生じる姿勢を保つ筋肉の衰えです。背骨の自然なS字カーブを保つには、腹筋や背筋がバランス良く働く必要があります。運動不足でそれらの筋力が低下してしまうと、猫背などの姿勢悪化を引き起こします。また、生活習慣の問題としては以下のようなケースが挙げられます。

 

猫背を招く生活習慣

  • 長時間のデスクワーク
  • スマホやパソコンを長時間使用している
  • 前屈みの姿勢で作業を行っている
  • 運動不足

 

筋力低下を招く運動不足はもちろん、背中を丸くするような姿勢を続けると猫背になりやすいと言われています。長時間のデスクワークやスマホ使用、前屈みでの作業を行っている人は、適度な休憩を取って姿勢を正しましょう。

猫背が引き起こす体のトラブル

猫背の状態が続くと背骨の正常なS字カーブが崩れて、頭部の重さが支えられなくなったり、背骨の一点に負担が集中してしまったりして、体に大きな負担がかかります。具体的に生じる体のトラブルについて解説します。

 

肩こりや首こり、ストレートネック

成人の頭の重さは約4〜6kgあり、その重さをうまく支えるには、頚椎が適度に前弯している必要があります。しかし、猫背になると頭を前に突き出したような姿勢になり、正常な頚椎の弯曲がなくなります。

そのような姿勢を続けると、首や背中の筋肉にかかる負担が大きくなり、肩こりや首こりの症状が現れやすくなります。正常な頚椎の弯曲がなくなった状態をストレートネックと呼び、長時間のデスクワークやスマホの使用で起こりやすいとされています。

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腰痛

猫背になり正常な背骨のS字カーブが崩れると腰の一点に負担がかかりやすくなったり、筋肉の一部に負担が蓄積されたりすることで、腰痛の症状が生じます。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の高齢者は骨が脆(もろ)く、いつの間にか背骨が骨折して腰痛が生じる場合もあります。「骨粗鬆症性椎体骨折(こつそしょうしょうせいついたいこっせつ)」と言われ、いつの間にか骨折が生じることがあるため、「いつの間にか骨折」とも呼ばれています。

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猫背を改善するストレッチ

猫背を改善するストレッチを2種類ご紹介します。どちらもタオルを使って、自宅で簡単にできる方法なので気軽に実践してみましょう。

 

背中を伸ばすストレッチ

  1. タオルを筒状に丸める。床にあおむけに寝て、丸めたタオルを肩甲骨の下辺りに置く
  2. つま先をできるだけ伸ばし、両手は頭の上に伸ばす
  3. 気持ちよく伸びている感覚があるところで止めて、1〜2分間キープ。痛くなりすぎない程度に数回繰り返す

 

タオルでしっかり背中を反らすことで、猫背を予防します。ただし、痛みがある場合は中止して、整形外科などの医療機関を受診しましょう。

 

背骨の自然なS字カーブを保つストレッチ

  1. 椅子に座り、筒状に丸めたタオルを両手で持つ
  2. 首の後ろにタオルを当てて、胸を張るように両方の肩甲骨を寄せる
  3. 肩甲骨を寄せたまま、タオルを真っすぐ上げる
  4. タオルをゆっくり2の位置に戻す
  5. 上記の動作を1回として、10回繰り返す

 

このストレッチは、肩甲骨の内側にある菱形筋(りょうけいきん)という筋肉を動かすストレッチです。肩甲骨の内側には、菱形筋(りょうけいきん)と呼ばれる筋肉があります。菱形筋は、肩甲骨を内側に寄せ、胸を開くサポートをします。菱形筋がうまく働くと、肩甲骨が寄って胸を開いた状態となり、猫背の予防に繋がります。

日々の生活で猫背を予防しよう

猫背を予防するためには、日々の生活の中で意識をして姿勢を整えたり、姿勢を保つ筋肉を働かせたりすることが大切です。例えば、立ち姿勢では姿勢のチェックポイントで確認したように、後頭部やお尻、踵を壁に付けるようにして立ちます。その状態で頭のてっぺんを天井から糸で引っ張られているようなイメージで、上方に伸びるように意識します。さらに、頭が下がらないように顎を引き、胸を少し前に出すようにするのがポイントです。また、ストレッチや適度な運動を取り入れて、姿勢を保つ筋肉を向上・維持しましょう。

「正しい姿勢の維持」にはサポーターがおすすめ

無意識に姿勢が崩れてしまうという方には「正しい姿勢の維持」を手助けしてくれるサポーターを取り入れてみてください。
姿勢が崩れていると、身体の不調だけでなく疲れているように見えてしまったり、バストが下がって見えてしまったりするなど、見た目の印象も悪くなってしまいます。

姿勢サポーターの装着前後

【サポーターを選ぶ際のポイント】
長時間着けても邪魔・負担になりにくいように、通気性に優れたものやズレ・かさばりが少ないサポーターがオススメです。

肩こり解消のためのマッサージと首コリ・ストレートネックの解消法

日々の生活の中で肩こりを感じたとき、あなたはどのように対処していますか? たかが肩こりと放っておくと、頭痛や吐き気、めまいといった全身の不調につながる可能性もあるので、早めの対処が必要です。ここでは、マッサージ療法、温熱療法、運動療法(全身運動)、首まわりの運動、薬物療法の5つの対策をご紹介します。

目次
マッサージ療法 – 血行を促進し筋肉の緊張をほぐす
温熱療法・寒冷療法 – コリや痛みを和らげる
運動療法 – 適度な運動による肩こり解消
首コリ解消におすすめの運動
薬物療法 – 肩こりに効く薬

マッサージ療法 – 血行を促進し筋肉の緊張をほぐす

肩こりは、肩や首まわりの筋肉疲労や血行不良で起こります。長時間の同じ姿勢や疲れやストレスなどによって肩の筋肉が萎縮すると、筋肉にある血管が圧迫されて、血行不良を起こします。すると、血液の中に疲労物質や老廃物が少しずつ蓄積して、肩こりを引き起こすのです。反対に、血の巡りをよくすれば肩こりの解消につながるわけです。
マッサージを施すことで、首や肩、肩甲骨付近の血行が促され、筋肉の緊張がほぐれて肩こりが緩和されます。また、マッサージ療法は、肩こりが痛みの症状に進行した場合の対処法としても有効です。からだには痛みを伝達する経路があると考えられていますが、触覚の刺激がこの伝達路に作用して痛みを伝達しづらくする効果も期待できるでしょう。さらに、マッサージでトリガーポイント(強い痛みを発する点)を刺激して、痛みを和らげる方法もあります。

電気治療器の活用 – 筋肉のコリをほぐし痛みを和らげる

つらい肩こりをケアするために、整体やリラクゼーションサロンに通っている人も多いでしょう。しかし、マッサージを受けて一時的に肩こりが楽になっても、その状態が長続きせず、すぐに元に戻ってしまうケースも少なくないようです。とはいえ、こまめにマッサージに通うのは、時間的にも費用的にもなかなか難しいもの。セルフマッサージという手もありますが、肩甲骨まわりを自分で押したりもんだりするのは大変かもしれません。
そんなときに便利なのが、家庭用電気治療器を用いたケアです。電気治療器(低周波治療器)とはからだに微弱な電流を流して、肩のまわりの筋肉のコリをほぐしたり痛みを和らげする治療器ですが、最近ではいろいろな種類の製品が販売されており、自分にあったタイプを選べます。コードレスタイプであれば、いつでもどこでも気軽に治療できる点も大きな魅力といえるでしょう。

温熱療法・寒冷療法 – コリや痛みを和らげる

温熱療法では、患部に熱を加えて局所の血行を促進し、筋肉の緊張を緩めて、コリや痛みを和らげます。温めることで、精神的なリラックス効果も期待できるでしょう。ストレス解消にもつながります。
反対に、コリのある部分を冷やして治療するのが寒冷療法です。寒冷療法では、患部の血管を収縮させて炎症を抑制し、痛みの伝達経路をブロックして、コリや痛みを緩和します。冷却を止めると、滞っていた血流が促進されて老廃物が洗い流されるため、組織の修復と回復を促すことができます。

慢性的な肩こり解消に効果的な温熱療法

温熱療法は、患部が炎症を起こして、赤くなったり腫れたりしている場合は、かえって症状を悪化させてしまいます。慢性的な肩こりには温熱療法を、急性の肩こりには寒冷療法を行うといいでしょう。冷やすか温めるか迷ったときは、入浴した際にコリや痛みが和らぐかどうかを目安にしてください。温熱療法は、慢性的な肩こりのほか、腰回りの痛みや五十肩などにも効果があるといわれています。

温熱療法の種類

温熱療法には、温めたパックを患部にあてるホットパックや、約55℃に熱して溶かしたパラフィン(ロウ)で患部を温めるパラフィン浴、赤外線治療器などを使う方法などがあります。
家庭で手軽に取り入れやすいのが入浴です。ゆっくりと湯船につかれば、それだけでも全身の血行促進や疲労回復に役立ちます。ホットパックの代わりに、使い捨てカイロを利用するのもいいでしょう。ただし、気がつかないうちに低温やけどを発症する場合もあるので注意が必要です。素肌に直接カイロを貼らないようにしてください。

運動療法 – 適度な運動による肩こり解消

肩こりはからだを動かさないでいると、ますます悪化します。運動によって肩のコリや痛みを緩和する方法を「運動療法」といいます。肩こりに対する運動療法の目的は、緊張した筋肉をほぐす、緊張で収縮した肩関節の可動域を拡大する、肩の血行不良を改善する、筋肉を鍛える、運動機能を回復させることなどが挙げられます。
ただし、最初から張り切りすぎるのは禁物です。過度の運動はかえって肩こりを悪化させる可能性があるので、何事も「ほどほど」を心がけましょう。また、急にからだを動かすと、首や肩に大きな負担をかけてしまいます。運動を始める前には、必ずウォーミングアップを行ってください。

運動によるストレス・肩こりの解消

からだを動かすと、血の巡りが良くなるだけでなく、気分転換にもなります。肩こりの陰の原因のトップは、ストレスともいわれています。強いストレスがかかると、からだの働きを調整する自律神経に悪影響が出て、血行障害を起こす可能性があるからです。適度な運動は気分を高揚させ、ストレス解消に役立ちます。毎日の生活に運動習慣を取り入れてみましょう。

肩こり解消に効果的な運動

肩こりの解消には、酸素を取り込みながら行う有酸素運動が適しています。有酸素運動を行うことで血流が促され、からだのすみずみまで酸素や栄養が循環しやすくなります。逆に、短距離走や筋トレなどの無酸素運動はあまりおすすめできません。ウォーキングや軽いジョギング、水泳、エアロビクス、ヨガなどから、楽しく続けられそうなものを見つけましょう。まずは、1日20分間、週に2〜3回、3ヵ月継続を目標にしてください。

首コリ解消におすすめの運動

首は、からだの中で重要な場所であると同時に、デリケートなところでもあります。肩こりの症状の陰には、首の不調が隠れているケースが少なくありません。特に日本人は欧米人と比べて骨格がきゃしゃなため、首の不調が多いとされています。
首の骨(頚椎、けいつい)を形成するのは、7個の骨です。その骨と骨の間には椎間板(ついかんばん)と呼ばれるクッションのような役割を果たす軟骨が存在し、椎間関節を作っています。首を自由に動かせるのは、この椎間板と椎間関節の働きがあるからです。また、首は、脊髄の通り道でもあり、全身の機能に関係しています。
しかし、椎間板と椎間関節は消耗しやすいのが弱点で、早くて20代から変性が始まるといわれています。この椎間板や椎間関節がすり減ったり、変形したりすると、全身にさまざまな問題を引き起こします。そのひとつが肩こりです。

ストレートネックによる肩と首のコリ

「ストレートネック」という言葉を耳にしたことはありませんか。ストレートネックとは、本来ゆるやかなS字カーブを描いているはずの頚椎が、首を前に出した姿勢を続けることで、文字どおり、まっすぐになってしまった状態です。スマホを操作するときに前かがみの姿勢になるため「スマホ首」とも呼ばれています。ストレートネックは、肩こりや首こり、頭痛などの原因になります。

ストレートネックに効く首まわりをほぐす運動

首すくめ運動

背筋を伸ばして、両肩をすくめるようにして持ち上げます。10秒ほどキープしたら、肩を落として一気に脱力します。

首まわし運動

肩の力を抜いて、首を「前傾→右→後傾→左」の順番でゆっくりと回します。左右10回ずつ行いましょう。

首を横に倒す運動

首をゆっくりと右に曲げて5〜10秒キープし、元に戻します。左右交互に2〜3回ほど繰り返してください。

首を前に倒す運動

首をゆっくりと前に倒します。首の後ろを伸ばして約10秒キープします。

首を前に倒す運動
首を前に倒す運動

薬物療法 – 肩こりに効く薬

ここでの薬物療法とは内服薬や外用薬、注射薬といった薬を使う治療法全般を指します。医療機関で肩こりの治療を行う場合、一部の例外を除いて、まず薬物療法から始めるのが基本です。状況に応じて、神経ブロック療法や理学療法などが加えられます。
肩こりで筋肉が緊張すると、発痛物質がたまって痛みを引き起こし、それがさらに肩こりの症状を悪化させるという悪循環に陥りがちです。鎮痛成分を含んだ内服薬や外用薬は、コリや痛みを初期の段階で抑えて、慢性的な肩こりの悪循環を防ぐ効果があります。

肩こりの治療に用いられる薬

非ステロイド系抗炎症薬 – 痛み止め

いわゆる「痛み止め」のことで、非ステロイド性抗炎症薬の総称です。痛みのもととなる体内物質プロスタグラジンの生成を阻害して、痛みの伝達をブロックします。飲み薬や貼り薬、座薬などがあります。

筋弛緩薬(きんしかんやく) – 筋肉のこわばりをとる

筋弛緩薬で筋肉の緊張を和らげるために処方される薬です。よく非ステロイド系抗炎症薬と一緒に処方されています。

ビタミンB – 神経の修復

肩こりによる末梢神経の修復を助ける働きがあります。

神経ブロック注射 – 痛み止め

神経やそのまわりに局所麻酔薬などを注入して、痛みの伝達をブロックする方法です。痛みやコリのある場所にピンポイントで作用します。薬の効果は一時的ですが、即効性があるので、慢性的な肩こりの悪循環を断ち切るのにも有効です。神経ブロック注射は、一般の診療科では行われていない場合が多く、主にペインクリニックでの治療になります。

日々のデスクワークやスマホの使いすぎにより、現代人は首や肩に大きな負担をかけています。何をやっても無駄だとあきらめずに、今回ご紹介した解消法をぜひ試してみてください。