肩こり改善のストレッチ
肩こり改善のためのストレッチ・ツボ押しなど自宅での対策法
今や国民病ともいわれる肩こりに悩んでいる方、日常生活のなかで解消法を試されていますか? もともと、二足歩行をする人間のからだは、重たい頭をささえるために、肩こりが生じやすい構造をしています。さらに、現代人はパソコンやスマホなどで首や肩に大きな負担をかけてしまっています。つらい症状を少しでも軽減するために、日々の生活に取り入れたい肩こり改善法。その中から今回は、ストレッチ、ツボ押し、痛み日記の3つをご紹介します。
肩こりを改善するストレッチ
肩こりは、首まわりの筋肉が過度に緊張し、周辺の血流が滞ることで起こります。首まわりの筋肉を中心に、短時間で簡単にできるストレッチをご紹介します。長時間同じ姿勢でいると、首まわりの筋肉が緊張を強いられます。仕事や家事の合間に首の筋肉をしっかり伸ばして、心身ともにリフレッシュしましょう。
肩こり改善のための4つのストレッチ
僧帽筋(そうぼうきん)のストレッチ – 肩から背中の筋肉
僧帽筋とは首から背中にかけて広がっている筋肉です。腕を持ち上げる動作を担い、重たい荷物を持ち上げたり、首をすくめたりするときに使います。
僧帽筋のストレッチでは、右手を背中に回し、首をゆっくりと左側に傾けます。20秒ほどキープしたら元に戻します。反対側も同様に行いましょう。
頭板状筋(とうばんじょうきん)のストレッチ – 首の後ろの筋肉
頭板状筋とは首の後面に位置する筋肉です。主に、首を後ろの反らすときに使います。また、首を横に倒したり、回したりする動作にも関係しています。
頭板状筋のストレッチでは、頭の後ろで手を組み、おへそを覗き込むように頭を前に倒します。このとき背筋はまっすぐ伸ばしてください。10秒ほどキープしたら元に戻します。
大胸筋(だいきょうきん)のストレッチ – 胸の筋肉
大胸筋とは胸板を形成する非常に大きな筋肉で、腕を動かすために重要な役割を果たしています。野球のピッチングやテニスのスイングなど、腕を動かすスポーツをするうえで、欠かせない筋肉です。
大胸筋のストレッチでは、両腕を真横に伸ばして胸を張ります。そのまま腕を後ろに引いて、胸の筋肉を伸ばします。
菱形筋(りょうけいきん)のストレッチ – 肩から背中の筋肉
菱形筋とは僧帽筋の深部にあるひし形の筋肉で、上部にある小菱形筋と下部にある大菱形筋の2つで構成されています。主に肩甲骨を動かす働きがあります。
菱形筋のストレッチでは、両手を前で組みます。そのまま腕を伸ばし、背中を丸めて肩甲骨を広げていきます。30秒ほどキープして元に戻します。
肩こりを改善するツボ押し
肩が痛くてストレッチもできないというときは、ツボ押しをしてみましょう。
ツボは正式には「経穴」といいます。東洋医学の考え方に「気」というものがあります。気とは、わかりやすく説明すると、生きていくうえで必要な生命エネルギーのことです。東洋医学では、この生命エネルギーの通り道を「経絡」と呼び、経絡のポイントにある穴を経穴と呼びます。人体にあるツボの数はWHO(世界保健機関)でも認められていて、その数は全身に361穴あるとされています。ツボはからだの各器官とつながりがあるため、不調が現れたときにそれと関連するツボを押せば、正常な状態に戻せると考えられています。
ツボの場所が見つかったら、指などを使って圧迫してみましょう。指先だけで押すのではなく、腕全体の力を使って「イタ気持ちいい」くらいの強さで圧をかけるのがポイントです。ツボ押しをしているときは、ゆっくりと息を吐いて、からだをリラックスさせます。
ツボは強く押したからといって、効果が高まるわけではありません。必要以上に刺激を与えると、筋肉に負担がかかって、もみ返しが起こる可能性があります。1回あたりの刺激は5秒間を目安に行いましょう。
肩こり改善に効く3つのツボ
合谷(ごうこく):手の甲のツボ
親指と人差し指の間にあるツボで、やや人差し指よりに位置します。親指の腹をツボにあて、人差し指と親指で手を挟み込み、3〜5回ほどプッシュします。
後渓(こうけい):手の甲のツボ
小指の付け根にあるツボです。手を握ったときにできる2本目のシワの先端にあります。指よりもヘアピンや爪楊枝などの道具を使ったほうが押しやすいかもしれません。3〜5回ほど強めに押しましょう。
手三里(てさんり):腕のツボ
ひじを曲げたときにできる横ジワの先端から、手に向かって指3本分くらい移動したところにあります。もう片方の親指を使って5秒ほど押したら離し、これを3〜5回ほど繰り返してください。
痛み日記
痛み日記とは、毎日の痛みを記録するツールです。痛みを抱えやすい人は、何事も完璧にしようとして、頑張りすぎてしまう傾向があります。こうした頑張りやで真面目な性格を「痛み性格」といいます。痛み性格の人は、リラックスするのが苦手で、つい無理をしてしまうので、心身ともに疲れがたまり、肩こりになってしまうのです。
心当たりがあったら、痛み日記を記録して、日々の生活を振り返ってみましょう。必要以上に頑張っているときほど、肩のコリや痛みが強くなっているはずです。日記を参考にして、考え方や生活習慣を変えることで、肩こりの予防・改善につながります。また、痛み日記をかかりつけ医に提出して、痛みの情報を共有すれば、治療に役立てられます。
日記というと長続きしないイメージがあるかもしれませんが、肩こりを改善するための日記は、きちんとした文章にする必要はありません。その日気づいたことを簡単にまとめるのが長続きのコツです。
痛み日記の書き方・ポイント
痛み日記で記録するのは、天気、痛みの強さ(10段階で表します)、その日の行動、気がついたことなどを簡単にメモします。まずは、丁寧さよりも日記を習慣化することを優先にしてください。痛み日記をつけるメリットは、自分の症状を客観的に捉えられる点です。「からだを動かしているほうが痛みを感じにくい」「好きなことをやっていると痛みを忘れられる」など、今まで気づかなかったことを発見できるでしょう。日々のエクササイズやストレッチなどの内容を記録して、数値で可視化できるようにすれば、モチベーションアップにつながって、効果も高まります。
記録するときのポイントは「痛みが強くなった」「痛みがつらくて眠れない」といったネガティブな事柄ばかりに目を向けないことです。「痛みがあったけれど、こんなことができた」「痛みを忘れられる時間があった」など、前向きな出来事にフォーカスしましょう。そうすれば、痛みを軽減する対策法がおのずと見えてくるはずです。