腰痛の種類 | 一宮市 FUJI整体院 一宮院

腰痛の種類

腰痛とは

腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症、腰椎分離すべり症、腰椎変性すべり症、腰椎椎間板変性症、椎間関節炎、仙腸関節炎、腰椎圧迫骨折、筋筋膜症、側弯症、梨状筋症候群、股関節疾患、婦人科疾患、大動脈瘤、うつ病 ………

腰痛の原因疾患は、ざっと挙げただけでもこれらが有ります。また、腰痛は日本人の有訴率の中でも最上位に有ります。この様に非常に広範囲にわたる「腰痛」ですが、今回は整形外科の典型的な疾患に関してお話しさせて頂きます。

なぜ痛いのか?

各疾患が痛みを起こす機序は様々です。私共は大体左側のようなメカニズムで腰痛の機序を考えております。腰椎椎間板ヘルニアに例を取ってみますと、最も典型的なのは神経炎です。 しかしそれ以外にも狭窄症や、関節炎を起こす事が有ります。

腰痛の機序と疾患を説明した図

疾患と疼痛部位

痛みやしびれが発生する部位も様々で、それぞれ疾患が異なります。

腰痛の疾患と疼痛部位を示した図

神経根炎とは

腰椎椎間板は5つの腰椎の間にあるクッションのような物です。アンパンのような構造をしていて、アンの部分は髄核、パンの部分を線維輪と言います。その後ろには脊柱管という神経を入れた管があり、1対ずつ左右に神経が分かれて出てきます。その神経の基部を神経根と言います。アンパンの具が出ている状態がヘルニアです。神経根が圧迫されることで痛みや痺れが出ます。

椎間板の構造とヘルニアにより圧迫された神経根の図

腰の部分の神経は、束になった部分から一対ずつ左右に出てきます。その基部が神経根です。

身体の側方向と後方から神経根を説明した図

それぞれの神経がカバーする領域は大体決まっていて、下図に示す部分です。腰椎椎間板ヘルニアが最も起こりやすいのは、第4・第5腰椎の間の椎間板で、第5腰椎神経を障害します。次は第1仙骨神経で、その次は第4腰椎神経を障害する第3・第4腰椎の間の椎間板です。圧迫される神経により、痛みや痺れが発生する部位が異なるのです。

腰のL4、L5、S1の神経と下肢の痛み部分を示した図

さて、足はまっすぐなのに 何故皮節は斜めなのでしょうか?右図の姿勢をとると、皮節の分布領域の理由が分かります。4足歩行の動物を思い浮かべてください。人間も動物なのだということが納得されます。

人体イラスト

狭窄とは

次のような症状はありませんか?
  • 立っていたり、歩いたりすると腰や足が痛んだり、しびれる。
  • 腰かけると良くなる。
  • 自転車は大丈夫。

腰部脊柱管狭窄症は、脊柱管の背面の黄色靱帯などが肥厚して脊柱管を狭くし、その結果、腰部や下肢に分布する神経の血流が悪くなって起こります。病状は立ったり歩いたりしたときに腰部や下肢にしびれや痛みなどの症状が出ます。また腰かけたり座ったりすると、この症状が無くなるのが特長です。これは立位で背中が反ると脊柱管が、より狭くなるためです。

狭窄の説明

人間の背骨は、横から見るとS字の曲がっており、立ったり座ったりする動作に合わせて曲げ伸ばししています。 脊柱管が狭い場合は、この背骨の曲げ伸ばしの際に、神経が圧迫されます。立っていたり歩いているときに脊柱管が狭くなり、痛みやしびれがでます。逆に、座ると脊柱管が広くなり、痛みやしびれが治まります。

背屈時、前屈時に脊柱管が広くなったり狭くなったりする仕組み

馬尾(ばび)神経は、馬の尻尾に似ていることから、このように呼ばれています。神経は腰椎の椎間板を通っており、通っている椎間板の種類により、痛みやしびれが出る部位がことなるのです。

馬尾神経の説明

椎間板原性疼痛とは

腰椎椎間板変性症で痛みやしびれが発生する部位

腰椎椎間板変性症は、右図の部位に痛みやしびれが発生します。 主な症状は次のとおりです。

  • 長時間の坐位で痛い。
  • 長時間の坐位から立ち上がるときに痛い。
  • 長時間の坐位でモゾモゾ腰を動かす。
  • 何度か激しい腰痛のエピソードがある。
  • 重量を持ち上げるのが辛い。

この症状は、下図の椎間板の線維輪が変形し発生します。

腰椎椎間板変性症で線維輪が変形した図

 

関節炎とは

関節炎と椎間板ヘルニアは、お尻から脚の裏側の同じような部位に痛みが発生します。

関節炎で痛む部位

椎間関節炎で痛みが発生している部分

椎間関節炎は、椎間板の関節を抜ける神経が炎症をおこし、痛みが発生します。仙腸関節炎は、骨盤の仙腸関節に炎症がおき、痛みが発生します。関節炎の治療は、状況に応じていつくかの方法があります。

腰痛を放置すると手遅れになる?

心臓の病気などは、神経がないため重症になるまで発見できず、手遅れになることがあります。腰痛は一般的に手遅れはありません。また、下記の表では手術した場合としなかった場合を比較しています。手術をした1年後には90%の方が改善され、手術の効果が現れていますが、4年後以降を比較すると、手術の有無に関係なく同じ程度の方が改善されたと感じています。

1年後 4年後 10年後
手術 90% 86% 92%
非手術 60% 83% 93%

腰痛は必ずしも手術の必要がなく、状況に応じて保存的治療も有効です。主な保存的治療は、次のものがあります。