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猫背予防と対策

脱・猫背予備軍!悪い姿勢がもたらす14の影響&日常での姿勢の整え方

背中がまるまって「猫背」のようになっていませんか?

姿勢が悪いとだらしなく見えるだけでなく、お腹が出たりお尻が垂れたりして老けて見られることも。また、肩こりや腰痛、頭痛の原因にもなり、健康面にもあらゆる悪影響をもたらします。姿勢を整えて体の不調とサヨナラしましょう。

「猫背」と「姿勢が悪い」は別物! 猫背の正体と猫背予備軍

円背

そもそも猫背とは、本来軽くカーブしている背骨が必要以上に丸まっている状態(円背)。

ただし、猫背のように見えても、実は姿勢が崩れているだけで背骨は丸まっていない「猫背予備軍」の人も多くいます。猫背予備軍の人たちがとりがちな姿勢は、大きく次の3つ。

頭が前に出ている(頭部前方変位)

スマホやPCを覗き込むように見る際、頭が前に突き出して首のつけ根が過剰に丸くなった姿勢に。筋肉は同じ姿勢を続けると硬くなるため、長時間この姿勢を続けると頭が前に出て猫背のような姿勢になります。

肩が内巻きになっている(肩関節の内旋)

キーボードやマウス操作をする際は肩が内側に入った前かがみの状態に。長時間のデスクワークなどで日頃からこの姿勢が続いていると、肩が内巻きの状態になって猫背のような姿勢になります。

骨盤が後傾している

背もたれにもたれかかると骨盤が後ろに傾いた状態に。するとバランスを取ろうとして頭を前にせり出してしまうため、猫背のような姿勢になります。

やってみよう! 姿勢モニタリング

仰向け

猫背につながる姿勢のタイプと原因をおさえたら、次は自分の姿勢をチェック。仰向けに寝て背骨が床につくかを確認してください。

脚を伸ばした状態で背骨がすべて床につくのが正しい姿勢を保てている状態。脚を伸ばした状態で背骨すべてが床につかない場合は、以下で解説する体勢を試してください。そのうえで、当てはまった項目でおすすめしているコンディショニング(※)の実践を。

※コンディショニング=正しく筋肉を使えるようにする準備のこと。使い過ぎて硬くなっている筋肉を使いやすく整える「リセットコンディショニング」と、使えていない筋肉を使える状態にする「アクティブコンディショニング」をセットで行います。

膝を立てると背骨が全て床につく

背骨がやや緊張しています。背骨の張りをとり姿勢を安定させる.リセットコンディショニングを中心に取り組むとよいでしょう。

膝を立てても背骨が全て床につかない

背骨がかなり緊張しています。背骨の張りをとり姿勢を安定させる。リセットコンディショニングだけでなく、アクティブコンディショニングもしっかりと行ってください。

脚を伸ばした状態で首の下にバスタオルを丸めて入れると背骨が全て床につく

頭部前方変位です。頭の位置を整える首のを行いましょう。

脚を伸ばした状態で肩甲骨のつき方に左右差がある

肩がゆがんでいます。肩の位置を整えるコンディショニングAを行いましょう。

顎が上がって肩が浮くor そもそも仰向けに寝られない

猫背(円背)です。

背中が痛む場合は圧迫骨折や狭窄症などの疑いがありますので、整形外科の受診を検討しましょう。

姿勢が悪いと体調にも影響が! 猫背予備軍を抜け出そう

疲れ

猫背のような姿勢が続くと、だらしない印象を与えてしまうだけでなく、疲れやむくみが生じるなど体調にも悪影響をもたらします。

どのような影響があるのか、まとめて確認しましょう。

〔悪い姿勢がもたらす影響〕
首の痛みや肩こりを招く
腰痛の原因になる
息苦しさや疲れを引き起こす
むくみやすくなる
頭痛を引き起こす
お腹が出る、お尻が垂れる
便秘になる
顔が大きく見える
O脚、X脚の原因になる
股関節が出っ張る
顎関節症を引き起こす
集中力が低下する
ネガティブ思考に陥りやすい
老けて見える、だらしなく見える
呼吸器機能が低下する

首の痛み・肩こりを招く

肩こり

本来首は緩やかに湾曲しており、そのカーブによって頭を支えています。

しかし、頭が前に出ると、首の骨の形状が不自然にまっすぐになってしまう「ストレートネック」に。首の骨や筋肉に多くの負荷がかかり、首の痛みや肩こりを招きやすくなります。

腰痛の原因になる

肩が内側に入ったり下あごが前に出て骨盤が後ろに倒れたりすると、腹筋や背筋をうまく使えず背骨で姿勢を維持することに。その結果、筋肉は衰え、さらに背骨に負荷がかかるという悪循環で腰痛を引き起こします。

息苦しさや疲れを引き起こす

前かがみになる猫背予備軍の姿勢は、肺を圧迫するため浅い呼吸になりがち。仕事で無理をしたり、階段を上がったりするとすぐ息苦しくなります。

さらに、呼吸が浅いと、酸素と二酸化炭素の換気の効率が悪くなって代謝が落ちます。その結果、疲れやすい体質に。

むくみやすくなる

前屈みの姿勢により呼吸が浅くなり、代謝が落ちると、血流循環も悪くなり、むくみが起こりやすくなります。

頭痛を引き起こす

頭が前に突き出た姿勢は、首の後ろ側の筋肉が緊張します。それにより頭から肩までつながる神経が圧迫され、頭痛を引き起こします。

お腹が出る、お尻が垂れる

骨盤は後ろに傾くと、腹筋が緩みお腹に脂肪がつきやすくなります。また、お尻が下に垂れやすくもなるため、平たく広がった扁平尻になりがち。

便秘になる

便秘

猫背のような姿勢で過ごすことが増えると、お腹周りが縮こまって内臓が圧迫され、内臓下垂の状態になります。

また、腹筋は衰えるだけでなく、その姿勢のままこり固まるので、血管が圧迫されて血流も悪化。結果として、蠕動運動(ぜんどう:腸の内容物を移動させる働き)が妨げられ、便秘になります。

顔が大きく見える

姿勢が崩れて顔が前に出ると、遠近法で大きく見えます。

また、首の後ろ側の筋肉が縮んで前側が引っ張られるため、顔の筋肉は下方向への力を受けます。その結果、たるみの原因に。

O脚、X脚の原因になる

骨盤の歪みによって股関節や太ももの筋肉が外に開いたり、内側に回転したりすることでO脚、X脚を引き起こします。

股関節が出っ張る

猫背のような姿勢を無理にまっすぐにしようとするのも実は危険。腰を反らせてしまうと、骨盤が前傾します。そうなると股関節が内側に歪み、出っ張ることに。

顎関節症を引き起こす

前に突き出た頭の重さを支えようと首の後ろの筋肉が緊張してかみ締めが起こるため、あごの関節に異常が発生することも。

集中力が低下する

集中力が低下

呼吸が浅く、脳に行き渡る酸素の量が少なくなるため、集中力の低下につながります。

ネガティブ思考に陥りやすい

うつむくような姿勢はネガティブ思考に陥りやすいといわれています。鬱(うつ)につながる可能性もあり、慢性化しやすいので要注意。

老けて見える、だらしなく見える

肩が内側に入り、下あごが前に出て骨盤が後傾する猫背予備軍の姿勢は、実年齢よりも老けて見えます。また、だらしない印象を与えてしまい、やる気や自信がなさそう、暗そうなどマイナスの印象を与えてしまいがちです。

呼吸器機能が低下する

猫背予備軍の前かがみの姿勢は、胸部を圧迫するため、呼吸器の機能を低下させます。

猫背予備軍を脱するための姿勢改善コンディショニング

正しい姿勢のイメージ

猫背予備軍を抜け出すには、頭・肩・骨盤の位置を整える「コンディショニング」で姿勢の改善を。リセットコンディショニングと、アクティブコンディショニングの両方を行いましょう。何回、何セットという目安はありません。実施前後で感覚が違っていればOKです。

☑ リセットコンディショニング
硬くなっている筋肉を、使いやすい弾力のある状態に戻す運動。筋肉に意識を向けずに、脱力して関節を動かすのがポイント。
☑ アクティブコンディショニング
使えていない筋肉を使える状態にする運動。息を吐きながら、動かす筋肉を意識すると効果的。

(A)背骨の張りをとり、姿勢を安定させるコンディショニング

リセットコンディショニング:肩ブラ

リセットコンディショニング:肩ブラ

〔How to〕
肩に反対の手を乗せ、肩と腕の力を抜く。
できるだけ力を抜き、腕を小さく前後に振りながら、ひじをくるくる回すように揺らす。

脱力し、手先とひじを動かすのがポイント。

アクティブコンディショニング:肩の外旋・内転

アクティブコンディショニング:肩の外旋・内転

〔How to〕
あごを少し上げ、肘の内側を前に向け、肩を外に回す。手首を折り、肘を伸ばす。
息を吐きながら脇を閉じるようにして手首を体につけて、肩を外回しするように回す。このとき脇は閉じたまま行う。

(B)頭の位置を整える首のコンディショニング

リセットコンディショニング:Yes・No運動

リセットコンディショニング:Yes・No運動

〔How to〕
首を両手で包み、指は気持ちよいと感じる場所を圧さえる。
“Yes,Yes”と小さくうなずいたり、”No,No”と頭を左右に小さく振ったりを繰り返す。

アクティブコンディショニング:頭を上げる

アクティブコンディショニング:頭を上げる

〔How to〕
首の後ろの骨を片手で触り、上を向いて顎の下にもう片方の手を添える。
首の後を締めるようにして、あごを上げる。

首だけを動かすのがポイント。

(C)腰浮きを改善するコンディショニング

リセットコンディショニング:腰骨トントン

リセットコンディショニング:腰骨トントン

〔How to〕
仰向けに寝て両脚を持ち上げ、手を添える。
そろえた膝を体に近づけるように小さく動かす。

脚は脱力し、手の力で動かすのがポイント。

アクティブコンディショニング:お腹で姿勢を支える

アクティブコンディショニング:お腹で姿勢を支える

〔How to〕
うつ伏せに寝ておへその下にタオルを入れ、おでこの下に手を重ねる。
脚をそろえて、かかとと背骨を一直線にする。
息を吐き、おへそをタオルから離す。

おへそを体内に押し込むように意識するのがポイント。

猫背にならないために! 日常での姿勢の整え方

猫背にならないためには、常に正しい姿勢をキープすることが重要。次のポイントを意識して姿勢美人に。

日中の姿勢キープ法

日中の姿勢キープ法

デスクワーク時

デスクにお腹をつけてPCは遠めに置き、肘をデスクに置きます。あればタオルや軟らかいボールをデスクとお腹の間に挟みましょう。

デスクが低いと肘が下がって姿勢が悪くなるので要注意。肘は90度に曲がるのが理想です。

立っているとき

恥骨(骨盤の前側にある、少し出っ張った骨)に糸を巻き、上に引っ張ってみぞおちにひっかけるようなイメージで立ちましょう。

また、鎖骨の間を天井から吊り上げられているようなイメージをもつと背筋が伸びます。

寝ているときの姿勢の整え方

寝ているときに一番緊張しているのが首。

頭を枕にのせたときに首と布団の間に隙間ができないよう、バスタオルを丸めて首の下に入れるとよいでしょう。首が楽になり、寝ている間に姿勢がリセットされます。

姿勢を正して、脱・猫背予備軍

背中が丸まった猫背のような姿勢を続けていると、体調にさまざまな影響を及ぼします。悪い姿勢は万病のもと。姿勢を正して、不調を改善しましょう。