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身体の冷えにはしょうが湯などおすすめですよ

「手足がいつも冷たい」、「布団に入っても体が冷えてなかなか眠れない」、「重ね着をしても寒い」などの症状に悩まされていませんか?一見、冷えとは関係ないと思われる症状も、実は”冷え”のサインかもしれません。

あなたの平熱は何℃ですか?

突然ですが、あなたの平熱は何℃ですか?36℃台?37℃台?中には、35℃台という方もいらっしゃるのではないでしょうか。日本人の平熱は36.55℃~37.23℃とされています。この数字を「意外と高い」と感じる方も多いようです。実は、昔に比べて日本人の平均体温は約1℃下がり、最近では老若男女を問わず、低体温化が問題になっています。

こんなにあった!冷えによる不調

体温が低いと体に様々な影響を与えます。例えば、肌荒れ、むくみ、耳鳴り、肥満、胃痛、胸やけ、便秘や下痢、肩こり、腰痛。女性では、さらに生理痛や生理不順を訴える方もいます。
また、代謝が低下することも知られています。体が冷えると、汗腺や排泄器官の働きが鈍くなり、水分や老廃物の排出が滞ります。それにより、血中の糖分や脂肪分が消費・燃焼されにくくなり、高血糖や脂質異常症につながることがあります。さらに、かぜなどのウイルスから身を守るために重要な免疫力も下がってしまうことが分かっています。

水毒と冷え

血流を悪化させ体を冷やす原因の一つに、余分な水分が体内に溜まりすぎていることが挙げられます。水は私たちが生きていくうえで欠かせないものですが、摂りすぎた水分がうまく排出されないと、胃や腸、副鼻腔などに偏って溜まってしまいます。すると、水分を必要とする他の細胞に行き渡らず、様々な不調を引き起こす原因になります。この状態を漢方医学では「水毒」といいます。水は熱を奪う性質があるため、体を冷やし、血流を滞らせます。水はむやみやたらに飲むのではなく、汗や尿などで”出る量”に合わせて”飲む”ことが鉄則です(ただし、医師や薬剤師から水分摂取について指導を受けている方はその指示に従ってください)。

余分な水分が細胞と細胞の間に大量に溜まっている状態のことを「むくみ」といいます。上半身の余分な水分は重力で下半身に移動し、立ち仕事が多い人は足のむくみ、座って仕事をする人はポッコリと下腹部が出てきます。 また、二重あごもむくみの一つで、あごに水分が溜まっている状態です。 むくみは代謝を悪くします。代謝が悪いと臓器も活発に動かなくなり、 やがて冷えにつながります。体を温め、発汗、排尿を促進することが大切です。

運動不足と冷え

運動不足と冷えの関係も分かってきています。体温は約4割が筋肉でつくられ、筋肉量が少ないと冷えにつながりやすくなります。特に女性は男性に比べて筋肉量が少ない傾向にあるため、より冷えやすいといえます。ウォーキングや水泳などで筋肉量を増やすとよいでしょう。これらに加えて、下記(図1)のようなもも上げ運動やスクワットを週2~3回程度とり入れるとさらに効果的です。運動は筋肉を増やすだけでなく、血行の促進にも役立ちます。

図1 もも上げ運動とスクワット
図1 もも上げ運動とスクワット

効果的な入浴法

冷えでお悩みの方は、毎日湯船につかり、体を芯から温めましょう。入浴すると、無理なく発汗し余分な水分を排出して、心身ともにリフレッシュできます。また、湯船につかることで、血管が拡張して血の巡りがよくなり、代謝もアップします。ここで大切なのは自分にとってのお湯の適温を探すことです。心地よくつかり、10分程度で汗が出る状態がベストです。1日1回は汗をかき、体温を上げるようにしましょう。

食事にも工夫を

漢方医学では、陽性食品が体を温め、陰性食品は体を冷やすと考えられています(図2)。

図2 陽性食品と陰性食品
図2 陽性食品と陰性食品

陰性食品は夏に食べる機会が多い食材でしたが、現代は栽培技術や物流の発達に伴い、スーパーなどで年中入手でき、食べられるようになりました。体の冷えが気になる方は陰性食品よりも、陽性食品を摂るように心がけましょう。しかし、陰性食品を食べてはいけないというわけではありません。例えば、生野菜のサラダに使われるトマトやレタス、きゅうりなどは陰性食品ですが、陽性食品の根菜や海藻を混ぜたり、味噌や醤油、天然塩などを使用したドレッシングで食べれば体を冷やす作用を緩和できます。また、豆腐も陰性食品ですが、味噌汁に入れたり、冷奴ならしょうがやねぎなどの薬味をのせたりして工夫するとよいでしょう。

\体温アップに!/
「蒸ししょうが」がオススメ

体を温める食材といえば、しょうがです。今回は、より効果を高めるために『蒸ししょうが』をおすすめします。
しょうがを30分ほど蒸してから、水気を飛ばして完全に乾燥させると体温を高める成分のショウガオールが増えます。乾燥させたらすりつぶして粉末にし、食品にかけたり、はちみつや黒砂糖と一緒に紅茶に入れたり、お湯で割ってしょうが湯にするのもよいでしょう。