ぎっくり腰の最初の対処法
ぎっくり腰は魔女の一撃ともいわれ、あるとき突然に襲ってきます。痛みの範囲や症状はひとそれぞれですが、痛みが治まるまでの数日間、特にぎっくり腰になってしまった当日や翌日は、寝る・起きる・顔を洗う・車の乗り降り・トイレ・入浴・椅子やソファーに座る・咳やくしゃみ など、日常生活の中で、何気なくしてきた当たり前の動作がとても困難になります。
ぎっくり腰症状が改善していくまでの間、日常生活を少しでも楽にすごせるような応急処置や対処のポイントを何点かお伝えいたします。
ポイント1:患部を冷やす
まず1点目は患部を冷やすと症状が和らぎます。
1日安静にしていても、腰に鋭い痛みが出たり、ちょっとした少しの動作でも鋭い痛みが出る場合は、患部に炎症がある可能性がありますので保冷剤で患部を冷やします。
冷やす時間としては 、「10分冷やして5分休んで」を何セットか繰り返すようにしてください。
10分はあくまで目安です。凍傷を起こさないように長時間冷やしすぎたり、皮膚に直接保冷剤を当てないように、薄手のハンカチなどで保冷剤をくるんでから、腰の痛みが激しい部分を冷やすようにします。
ポイント2:寝る姿勢は横向きで。
ぎっくり腰症状の特徴としては、「寝起きが辛い」という方が多いのですが、寝る姿勢を工夫することで寝起きの辛さをある程度軽くすることができます。
寝る姿勢は横向きです。痛い側を上にしてください。
腰の右側が痛い場合は、右を上に。身体の左側面が下になるようにします。
腰の左側が痛い場合は、左を上に。身体の右側面が下になるようにします。
右左どちらが痛いかわからない場合や、腰の中央付近が痛い場合は左右両方試していただいて、楽な方を上にして寝るようにしてください。
こうすることで、寝起きの際の腰の痛みが改善できます。
ポイント3:中腰はぎっくり腰の大敵!ちょっとの工夫で腰の負担を軽減
ぎっくり腰になると、何気ない動作や姿勢によって、腰に痛みが走ったり、症状が悪化してしまう可能性があります。
特に「中腰動作・中腰姿勢」は腰の大敵です。腰を余計に痛めたり、痛みを長引かせる原因にもなるので、中腰姿勢はなるべく控えましょう。
とはいえ、お仕事や日常生活でどうしても中腰にならざるをえない場合は多いです。
例えば、「顔を洗う」という動作は中腰姿勢の典型です。
顔を洗う場合は、
・洗面台や壁に片手をついて顔を洗う
・洗面台にももをつけて顔を洗う
・足を前後に開いた状態で顔を洗う
など、中腰にならなくても顔を洗える動作ができるように工夫をしてみて下さい。
また屈伸動作に関しても腰に負担をかけますので、極力控えるようにしてください。
中腰姿勢や中腰動作と同じように、「うつぶせで寝る」、「あぐらをかく」、「足を組んで椅子に座る」といった姿勢も腰に負担をかけますので、控えるようにしてください。
ポイント4:低い椅子や車のシート、ソファーなどに座る際にはお尻を高くする工夫を。
ぎっくり腰になっても、仕事の都合や日常生活の中で車に乗る機会は多いはずです。
車から乗り降りする際はもちろんですが、運転していても痛みがひどくなるという相談も多いです。
車のシートは柔らかく、お尻が沈み込む構造になっています。乗り心地を考えると当然の構造ですが、ぎっくり腰には辛い構造です。ぎっくり腰の症状が辛いとき車を運転する必要がある場合には、座布団もしくはバスタオルを折りたたんでシート面のお尻側に入れていただいて、お尻が高くなるように工夫してください。
こうすることで運転中の腰の痛みも軽減できますし、車から降りる際にも腰への負担が軽くなります。
くれぐれも運転に支障がでない程度の高さにしてください。
車のシートと同じようにお尻が沈み込む構造の柔らかいソファー、また低い椅子に関しても、同様の痛みが出てきますので、そういう椅子に関してはできるだけ座らないようにし、フラットで固い椅子に座るようにします。
ポイント5:腰痛ベルトや骨盤ベルトはぎっくり腰の痛みを和らげる有効なアイテム
ぎっくり腰になった場合の第一の対処方法は「安静」が基本になりますが、仕事や日常生活の上で、1日寝ているわけにもいかない場合は、ドラッグストアでも販売しているもので十分ですので 腰痛ベルトや骨盤ベルト、コルセット、骨盤サポーターを積極的に活用してください。
腰痛ベルトやサポーターは骨盤や腰、腹部を固定化することで、身体を支える力をサポートしてくれます。普段よりも小さな力で身体を支えてくれるので、腰への負担がグッと低くなります。
ぎっくり腰になった時に、楽に過ごすポイントをお伝えしました。
少しの工夫で痛みや動作が軽くなりますので、ぜひ試してみてください。