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腰痛ストレッチとツボ押し

腰痛改善ストレッチ・ツボ押しなど 自宅で行える5つのおすすめ対策

腰痛を引き起こす原因に、運動不足による腰の周りの筋肉の衰えと、柔軟性の低下があります。背骨をまっすぐに支える力が低下すると、背骨や腰椎にかかる負担が増えてしまい、痛みにつながったり、筋肉が凝り固まった状態が続くことで血流が滞り、痛みを生み出す発痛物質が放出され、さらなる痛みにつながります。
ここでは腰痛改善に効果が期待できる、自宅で取り入れられる筋力トレーニングやストレッチ、短時間で取り組める電気治療器やツボ押し、またマインドフルネスを活用したメンタルケアの方法をご紹介します。無理のない範囲で取り組める、自分にあったケア方法を探してみましょう。

目次
腰痛が起こる原因と関わる3つの筋肉
腰痛に関わる筋肉のトレーニング方法
腰痛に関わる筋肉のストレッチ方法
経皮的電気刺激(TENS)によるマッサージ
腰痛改善に効くツボ押し
マインドフルネスによるメンタルケア

腰痛が起こる原因と関わる3つの筋肉

背骨は、椎骨(ついこつ)と呼ばれるブロック状の骨が32〜34個積み重なってできており、頭のほうから順番に「頚椎(けいつい)」「胸椎(きょうつい)」「腰椎(ようつい)」に分かれています。腰椎は、5つの椎骨で構成され、その下にある仙骨、尾骨とつながっています。
腰椎を支える役割を担うのが筋肉と靭帯です。正常な腰椎は前方に緩やかなS字カーブを描いています。しかし、腰の周りにある筋肉が衰えると、腰椎にゆがみが生じてカーブが大きくなり、腰痛が起こりやすくなるのです。

腰周りの3つの筋肉の役割と腰痛との関係

腰周りの3つの筋肉の役割と腰痛との関係

腰痛に関わる腹筋と背筋には、腹直筋、腸腰筋、腰方形筋、脊柱起立筋などがあり、この筋肉が衰えたり凝り固まったりすると、腰の負担が大きくなって、痛みにつながります。

腸腰筋(ちょうようきん)

股関節の深部にあるインナーマッスルで、大腰筋・腸骨筋・小腰筋の3つの筋肉の総称。腹筋の代表格といえる筋肉です。腰を前に曲げるときに使いますが、デスクワーク中心の姿勢でいると腸腰筋が縮こまってしまい、反り腰や骨盤のゆがみの原因となります。腸腰筋は奥深くにある筋肉なので、外部からのマッサージでアプローチするのが難しいとされています。

腰方形筋(ようほうけいきん)

腰の奥深くにあり、腰椎を両側から支えている長方形の筋肉です。姿勢を安定させるのに重要な役割を果たしています。腰方形筋は左右対称についている筋肉なので、そのバランスが崩れると、片方の腰だけが痛んだり、腰をひねったときに痛みが生じたりします。

腰方形筋(ようほうけいきん)

脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)

頭蓋骨から骨盤まで背骨に沿ってついている長い筋肉です。一般的に、背筋と呼ばれています。棘筋(ちょくきん)、最長筋、腸肋筋(ちょうろっきん)の3つの筋肉で成り立っています。背骨をまっすぐに保つ働きがあり、正しい姿勢の維持には欠かせません。脊柱起立筋が弱くなると、S字カーブが深くなり、腰に負担がかかります。

脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)

腰痛に関わる筋肉のトレーニング方法

まず行いたいのが、低下している筋力を鍛えるトレーニングです。しかし、腹筋と背筋のどちらか一方のみを鍛えても、腰椎を正常な位置に保てません。両方をバランスよく鍛えることが大切です。
ここでは、腰痛にかかわる腹直筋と脊柱起立筋を鍛えるトレーニング方法をご紹介します。負荷をかける筋肉に意識を集中して行うことで効果が高まります。無理せずできる回数から始めましょう。

腹直筋を鍛えるトレーニング

腹直筋を鍛えれば、本来のS字カーブを維持できるようになります。トレーニングは、反動を使わずゆっくり行うのがポイントです。

  1. 仰向けに寝て、両膝を立てます
  2. 両手は膝頭に当てます
  3. 息を吐きながらゆっくりと上体を起こします
  4. 上体を引き上げた状態で1〜2秒静止します
  5. 息を吸いながらゆっくりと元に戻します
  6. これを5〜10回繰り返します
腹直筋を鍛えるトレーニング

脊柱起立筋を鍛えるトレーニング

脊柱起立筋のトレーニングは、腰痛だけでなく猫背の予防・改善にも役立ちます。トレーニングを行う際は、おへその下から骨盤にかけてクッションやタオルなどを敷いておくと、腰への負担を軽減できるのでおすすめです。

  1. うつ伏せになり、両ひじを立てます
  2. 息を吐きながらゆっくりとひじを伸ばし、上体を起こします
  3. 上体を起こしたら5秒間キープします
  4. 息を吸いながらゆっくりと元に戻します
  5. これを5回繰り返します
腹直筋を鍛えるトレーニング

腰痛改善におすすめのストレッチ方法

筋力の低下だけでなく、柔軟性の低下も腰痛の原因となります。緊張した筋肉をほぐして血行を促すことで腰回りの筋肉が柔らかくなると、可動域が広がり、腰椎への負担が軽減されます。

腸腰筋のストレッチ

  1. 足を前後に開き、後ろ側の足で膝をつきます
  2. 両手を前側の足の膝に置き、少しずつ上体を前にスライドさせます
  3. ゆっくりと元に戻します
  4. 反対側も同様に行います
脊柱起立筋を鍛えるトレーニング

腰方形筋のストレッチ

  1. 四つん這いの姿勢をとります
  2. 息を吐きながら、ゆっくりと背中を丸めます
  3. 四つん這いの姿勢に戻ります
  4. 息を吸いながら、背中を反らしてお尻を突き出します
  5. 1〜4までを5回繰り返します
脊柱起立筋を鍛えるトレーニング

脊柱起立筋のストレッチ

  1. 椅子に腰掛けて、背筋を伸ばします
  2. 背筋を伸ばした状態で、ゆっくりと腰を後ろにひねります
  3. 深呼吸しながら20秒間キープします
  4. 息を吐きながらゆっくりと戻します
  5. 反対側も同様に行います
脊柱起立筋を鍛えるトレーニング

経皮的電気刺激(TENS)によるマッサージ

トレーニングやストレッチの効果は分かったものの、「続かない」「忙しくてマッサージや整体に通うのが難しい」という方におすすめなのが、家庭用の電気治療器を利用した治療法です。ここでは、手軽に同じような効果を得られる経皮的電気刺激(TENS)によるマッサージについて解説します。

TENSによるマッサージとは?

ゲートコントロール理論をきっかけに開発されたTENSとは、痛みのある箇所やその近くにある皮膚に電極を貼り、知覚神経に対して弱い電気刺激を加える治療法です。筋肉の緊張をほぐして血流を促し、痛みを和らげます。わずかな時間で効果が現れ、終了後もしばらく鎮痛効果が続くのが特徴です。いわゆる低周波治療といわれるもので、短時間で痛みをケアできるとあって人気を集めています。

関連記事
低周波治療が痛みに効くしくみ – ゲートコントロール理論と血行促進

マッサージによる血行促進

筋肉が凝り固まると、血流が滞って、組織に酸素や栄養が行き届かなくなり、そこから痛みを生み出す発痛物質が放出されます。痛みが生じると、また筋肉が緊張して血行が悪くなり、さらに発痛物質が産出されて、痛みが増強されるという負のスパイラルに陥ります。
こうした事態を避けるのに有効なのが、血流を促して痛みの悪循環を断ち切ること。マッサージによる刺激は、局所の血行を促進し、筋肉の緊張を和らげます。さらに、痛みの原因となる物質が老廃物として排出されやすくなるため、腰回りの痛みの軽減につながるでしょう。

腰痛改善に効くツボとツボ押しの方法

短時間で効果が期待できる方法には、ツボ押しによる血行促進もあります。会社の休み時間や寝る前など、ちょっとした空き時間を利用できます。

東洋医学でいう、ツボとは?

東洋医学の概念では、私たちのからだに「気」と「血」のエネルギーが巡るルートである「経絡」があると考えられており、経絡上の要所にあるとされているのが「経穴」、いわゆるツボです。
WHO(世界保健機関)によると、全身には361穴のツボがあるとされ、からだの各器官や臓器とつながっています。たとえば、腰が不調になれば、それに関連するツボも押すと痛くなったり、硬くなったりするのです。また、ツボの中には、筋肉が凝ったときに生じるトリガーポイント(発痛点)の位置と一致するものもあります。ちなみに、古代中国を起源とする鍼灸治療は、ツボにお灸を据えたり、鍼を刺したりして、からだの調子を整える治療法です。

ツボ押しを効果的に行うには

ゆっくり息を吐きながら「イタ気持ちいい」くらいの強さで5秒間ほど圧迫します。押し続けていると、血行がよくなって、からだがポカポカしてくるのを感じられるでしょう。ツボ押し専用の棒などで押さえるのも効果的ですが、やりすぎは禁物です。筋肉に負担がかかって、逆効果になることがあります。

腰痛改善に効くツボ

腰痛に効果的なツボを3つ紹介します。

腰腿点(ようたいてん)

手の甲の2箇所にあるツボです。人差し指と中指の骨が接合する手前のくぼみを第一腰腿点、中指と薬指の骨が接合する手前にあるくぼみを第二腰腿点といいます。親指の腹を使って、5〜10回ほど強めに押しましょう。ツボに米粒をテープで貼るのも効果的です。

委中(いちゅう)

ひざの裏の中央あたりにあるツボです。ひざを両手でつかんで、両手の中指を使って5〜10回ほど押すといいでしょう。

太衝(たいしょう)

足の親指と人差し指の間の、骨が接合している部分にあるツボです。親指の腹を使って強めに5〜10回ほど刺激します。ボールペンなど、先の丸い道具を使うとピンポイントで押せるので便利です。

腰痛改善に効くツボ

マインドフルネスによるメンタルケア

原因がはっきりわからない慢性的な腰痛から、「一生治らないかもしれない」と不安な気持ちが募って、さらに痛みが増すという悪循環に陥っている方は、マインドフルネスによるメンタルケアも取り入れてみてはいかがでしょうか。

マインドフルネスとは

マインドフルネスとは、目の前の現実に意識を向ける心の持ち方のことです。マインドフルネス学会では「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と定義づけられています。この場合の「観る」とは、見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の働きをも観る、という意味です。

慢性的な腰痛への効果

慢性的な腰痛を抱えていると、どうしても不安や疑念が大きくなってしまい、不安が不安を呼んで、痛みを増幅させてしまいます。マインドフルネスは、そうしたネガティブな意識を手放すスキルです。マインドフルネスを活用すれば、心が整理されて、目の前のことだけに集中できる状態が手に入るようになります。結果的に、痛みに向けられる意識が減って、症状の緩和につながるでしょう。
最近では、マインドフルネスを科学的に研究しようとする動きが高まり、一部の病院や施設でも、痛みを抱えている人々に対して、マインドフルネスの指導を開始しています。

マインドフルネスの方法

ここでは、簡単に取り入れられるマインドフルネスの方法を紹介します。

瞑想

必ずしも坐禅のようなスタイルをとる必要はありません。静かに座って今の自分の感覚に向き合うだけで十分です。過去の失敗や未来への不安にとらわれていた意識を「今、ここ」に取り戻します。

呼吸法

自分の呼吸だけに意識を向ける方法です。ゆっくりと腹式呼吸を行うと、高ぶっていた気持ちが穏やかになり、リラックス効果を得られます。

ヨガ

マインドフルネスのヨガでは、健康効果よりも精神的な安定に重きを置いています。さまざまなポーズを通して、「今」という瞬間に意識を向けます。心が穏やかになると同時に、運動不足も解消できるので一石二鳥です。

トレーニング、ストレッチ、マッサージ、ツボ押し、メンタルケアと、自宅でのケアに取り入れやすい5つの方法をご紹介しました。自宅でのケアは継続して行うことが重要です。習慣づけできるよう、意識して取り組んでいきましょ

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