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腰痛の治療法

腰痛治療のための薬・リハビリ・痛み止めなど病院での治療法

腰痛の約85%は原因不明とされています。腰痛がひどい場合は、まず痛みと炎症を和らげるために薬と注射で治療を進めるのが基本です。ただし、薬物療法(投薬治療・神経ブロック療法)はあくまでも痛みを抑える対症療法であり、病気そのものを治すものではありません。状況によっては、理学療法や外科的治療などが必要になるケースもあります。理学療法は、運動機能に問題がある人の機能回復を図って、できるだけ早く社会復帰させるための治療です。医師の指導のもとで、理学療法士によるリハビリテーション(略してリハビリ)が行われます。ここでは、病院で行う腰痛治療を紹介します。

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目次
腰痛治療に用いられる薬
神経ブロック療法とは
腰痛治療で行われる理学療法(リハビリテーション)とは
理学療法の種類と腰痛治療の特徴

腰痛治療に用いられる薬

腰痛治療の薬には次のようなものがあります。それぞれ特性があるので、医師とよく相談して自分に合った薬を処方してもらいましょう。

非ステロイド系抗炎症薬 – 痛み止め

代表的なものに、ロキソプロフェン、ジクロフェナク、イブプロフェン、インドメタシンなどがあります。市販薬にもよく使われているので、耳にしたことのある名前も多いでしょう。痛みを増強する体内物質プロスタグラジンの生成を阻害して、腰痛を和らげます。

オピオイド – 痛み止め

麻薬性鎮痛剤の総称で、強い腰痛に用いる薬です。オピウムとは、ケシの実からとったアヘンを意味します。麻薬性鎮痛剤といっても、適切に使用すれば、依存症に陥る心配はありません。神経の伝達を抑制し、つらい痛みを抑えます。鎮痛効果が高い反面、便秘や吐き気などの副作用が起こりやすい傾向があります。

アセトアミノフェン – 痛み止め

副作用が少なく、安全性の高い解熱鎮痛薬です。炎症を抑える作用はほとんどありませんが、穏やかに痛みを抑える働きがあります。一般的な腰痛に処方されるほか、偏頭痛、歯痛、生理痛などにも効果を発揮します。非ステロイド系抗炎症薬との併用も可能です。

筋弛緩薬(きんしかんやく) – 筋肉のこわばりをとる

痛みによる筋肉の緊張が、さらに痛みを助長する場合があります。このようなケースでは、筋弛緩薬で筋肉のコリやこわばりを解きほぐし、血流を促します。

抗うつ薬 – 痛み止め

本来はうつ病の治療薬ですが、長引く腰痛にも使用される場合があります。痛みを抑制するする経路(下行性疼痛抑制系)の働きを活性化し、鎮痛効果を発揮します。

神経ブロック療法とは

腰痛の程度が強い場合は、神経ブロック療法が行われる場合があります。神経ブロックとは、局所麻酔薬などを注入して、痛みを伝える神経を遮断(ブロック)する方法です。主にペインクリニックで行われています。痛む部位にピンポイントで効くのが特徴です。また、多くの痛み止めのように、胃腸や肝臓・腎臓に負担をかけることもほとんどないでしょう。ただし、神経の周辺に注射するため、神経そのものを傷つけたり、出血・感染を起こしたりする可能性があります。

腰痛治療で行われる理学療法(リハビリテーション)とは

リハビリテーション(rehabilitation)の語源はラテン語で「re=再び」「habilitation=能力を持たせる」という意味があり、日本語では一般的に「機能回復訓練」や「社会復帰訓練」と訳されます。
理学療法とは、身体機能が低下した患者に対して、運動を行わせ、温熱や水、光などの物理的な刺激を加えて、運動機能の回復を図るリハビリテーションのことです。痛みによって硬く緊張している筋肉をほぐし、血流を改善して、痛みを緩和していきます。

理学療法の種類と腰痛治療の特徴

腰の痛みに対して行われる理学療法には、大きく分けて、運動療法と物理療法があります。それぞれの特徴をご紹介します。

運動療法

症状や運動機能に応じて、有酸素運動や筋力トレーニング、ストレッチ、可動域訓練、筋弛緩訓練などを行います。運動療法の目的として、痛みによって硬く緊張した筋肉をほぐして血流を促すこと、緊張や痛みで縮小した関節可動域を広げること、痛みがきっかけで低下した筋力を向上させて運動機能を回復させることなどが挙げられます。一般的な腰痛や腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)などによる痛みには高い効果が期待できるでしょう。
ただし、過度の運動は、痛みの悪化や新たな障害を引き起こす場合があります。医師や専門家の指導のもと、慎重に行ってください。

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物理療法

物理的な刺激によって痛みの緩和や機能の回復を目指す療法です。物理療法には次のようなものがあります。

寒冷療法

アイスパックや氷嚢(ひょうのう)、極低温空気などで患部を冷やします。急性期の痛みや炎症による痛みに適しています。

温熱療法

ホットパックやパラフィン浴、赤外線治療器などを用いて患部を温めます。慢性の痛みに適しています。

水治療法

水圧や浮力、流体抵抗などを利用して、機能の回復を図る方法です。水の中では体重の負荷がかからないので、高齢者や肥満者でも無理なくからだを動かせるのがメリットです。

牽引療法

頚椎(けいつい)を引っ張ることで、神経への圧迫を軽減し、周辺の筋肉の緊張を和らげて、痛みを軽減します。脊柱周辺の神経の圧迫による腰痛に効果的です。

マッサージ

マッサージで血行が促進されると、筋肉の緊張がほぐれて、痛みの緩和につながります。また、触覚の刺激により、痛みの伝達を抑制する効果も期待できるでしょう。

痛みと炎症の度合いによって、適切な治療方法は異なります。日常生活に支障が出るほどひどい痛みになる前に、医療機関を受診し、適切な治療方法を相談しましょう。