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腱鞘炎はなぜ起こる?

腱鞘炎」はなぜ起こる

Vol.60 「腱鞘炎(けんしょうえん)」...パソコン作業で悪化させないために「腱鞘炎」はもともと、楽器を演奏する人、文字を書いたり帳簿付けをする人、テニスなどのスポーツをする人、家事をする人など、普段指や手をよく使う人にみられる症状でした。
ところが最近、職業や年齢などにかかわらず、一般の人にも急増しています。その最大の原因が、パソコンです。
パソコンの作業では、マウスに手を置いてクリックをする、キーボードで文字などを打つ、といった動作を繰り返します。仕事だけでなく、ショッピングやゲームなどに夢中になり、毎日のように何時間もパソコンに向かう人が多くなっています。
その結果、指や手首の関節付近がこわばり、指を伸ばしにくくなったり、ものをつかもうとしたときに痛みが走ったりし、初めて腱鞘炎に気付く人が少なくありません(※1)。
では、こわばりや痛みは、なぜ起こるのでしょうか。私たちの指や手には、腱(けん)というヒモのようなものがあり、筋肉と連動して動かすことで、指や手首を自由に曲げたり伸ばしたりしています(※2)。腱が動くときに、骨から離れないように押さえる役割をしているのが、腱鞘(けんしょう)というサヤです。 指や手首をひんぱんに曲げ伸ばししていると、腱と腱鞘がこすれ合い、炎症を起こすことがあります。するとその部分が腫れて動きが悪くなり、やがて痛みを発するようになるのです。
とくに中高年になると、腱も腱鞘も硬くなり、血行も悪くなりがちです。そのためパソコン作業をやりすぎると、炎症を起こしやすく、また回復も遅くなります。
腱鞘炎を悪化させると、ちょっと手を動かすたびに激痛が起こり、日常生活に大きな支障となります。症状の改善法や予防法をきちんと知っておきましょう。

(※1)パソコン作業が原因で起こる腱鞘炎を、「マウスクリック腱鞘炎」とか「パソコン腱鞘炎」と呼ぶこともあります。

(※2)腱とよく似た組織に、じん帯があります。その違いを簡単にいうと、腱は筋肉と骨をつなぐ部分にある組織、じん帯は骨と骨をつなぐ組織ということができます。腱もじん帯もあまり伸縮性がないため、使いすぎたり、無理な力がかかると、炎症や断裂を起こすことがあります。

「ばね指」は早めに対策を

マウスのクリックなどで指(主に人さし指)を使いすぎたときに起こる腱鞘炎を、「ばね指」ともいいます。指を伸ばそうとすると、カクンとばねのようにはじかれる感じがするからです。
ばね指になると、当初は関節部分にこわばった感じがし、やがて曲げ伸ばしのたびに痛みが起こるようになります。
手のひら側の指の付け根に小さな膨らみがありますが、この部分を軽く押しながら、指の曲げ伸ばしをしてみてください。指の動きが硬くてぎこちなかったり、少し痛みを感じたりした場合には、ばね指になりかかっている可能性があります。
そのまま使い続けていると、指を曲げたときに激痛が走り、曲げ伸ばしが自由にできなくなることもあります。
軽症のうちなら、痛む部分にテーピングをし、固定することで症状をやわらげることができます。薬局や運動具店などでかぶれにくいテープを選び、自分で加減しながら3周くらい巻いて固定します。強く巻きすぎると血行が悪くなるので、注意してください。
痛みがとれない場合は、早めに受診することが大切です。貼り薬や塗り薬のほかに、注射で痛みをとる方法もあります。人によってその効果に差はありますが、一度の注射で半年くらい効果が続く人も少なくありません。
ただし、痛みがとれても無理をすると再発しやすいので、十分に注意する必要があります。
また指の腱鞘炎とよく似た症状に、「変形性指関節症」があります。軟骨がすり減って起こる症状で、痛みのほかに腫れを伴い、放置していると指が変形します。腱鞘炎と区別するためにも、早めに受診しましょう。