寝ながら腰痛ストレッチ
腰痛の寝ながら簡単ストレッチ・体操!。

腰の痛みで悩んでいませんか?
現代人の約8割が経験すると言われる腰痛は、日常生活に大きな支障をきたす深刻な問題です。
つらい痛みを我慢しながら過ごしていませんか? 実は、簡単なストレッチで腰痛を改善できる可能性があります!
この記事では、整形外科医が監修した、すぐに効果を実感できる即効性のある腰痛ストレッチ・体操を紹介します。
寝ながらできるものから、前屈が苦手な方でも可能なものまで、身体の状態に合わせたストレッチを見つけましょう。 朝起きた時や寝る前の痛み、動くと増す痛みなど、様々な腰痛に対応したストレッチを、分かりやすく解説します。
寝ながらできる腰痛ストレッチ・体操3選
腰痛。それは、現代社会において多くの人々が抱える悩みの種です。朝、布団から出るのも一苦労…、長時間同じ姿勢でいると腰がズキズキ痛み出す…。そんな経験、あなたにもありませんか?
つらい腰痛を少しでも和らげたい。できれば、寝たままで手軽にできるストレッチがあればいいのに…。そう思っている方はきっと多いはずです。
この記事では、整形外科医の視点から、寝ながらでも無理なく行える腰痛ストレッチを3つご紹介いたします。それぞれのストレッチの効果や注意点、さらに効果を高めるコツまで、わかりやすく丁寧に解説しますので、ぜひご自身のペースで試してみてくださいね。
膝抱え込みストレッチ(仰向け)

腰の張りやだるさを感じたときにおすすめなのが、「膝抱え込みストレッチ」です。
自宅で寝ながらできる簡単な動きですが、腰や骨盤まわりの筋肉を優しくゆるめてくれます。
🔹ストレッチの目的
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腰椎(背骨の下の方)の動きを改善する
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腰まわりの筋肉をやわらげる
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リラックス効果や血流改善にもつながる
✅ ストレッチの流れ(手順)
① 仰向けに寝ます
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床にマットやバスタオルなどを敷き、仰向けになります。
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両膝を立てた状態からスタートしましょう。
② 両膝を抱えます
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両手で左右の太ももをつかみ、ゆっくりと胸の方へ引き寄せます。
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背中は床につけたまま、お腹と太ももが近づくように。
③ 呼吸を整えてキープ
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息を「ふ〜っ」と吐きながら、より胸に近づけます。
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腰が気持ちよく伸びるところで 10秒キープ。
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呼吸は止めずに自然に行いましょう。
④ ゆっくり戻す
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両手をゆるめ、足をそっと床に戻します。
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この動作を2セットくり返します。
💡ポイントと注意点
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無理に引き寄せすぎない(痛気持ちいい範囲でOK)
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腰痛の急性期(炎症がある時期)は避ける
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朝起きた直後やお風呂上がりのタイミングがおすすめ
🕒目安回数
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10秒×2セット(1日1〜2回)
習慣的に行うことで、腰の柔軟性が徐々に高まり、腰痛の予防・改善にも役立ちます。
腰ひねりストレッチ(仰向け)

腰のこわばりやを感じている方におすすめのストレッチが「腰ひねりストレッチ」です。腰椎の回旋(ひねり)動作をゆっくりと引き出すことで、腰まわりの筋肉の柔軟性を高め、動きをスムーズにする効果が期待できます。
✅ ストレッチの流れ(手順)
① 仰向けに寝ます
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床に仰向けになり、両脚をまっすぐに伸ばします。
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両腕は肩の高さで横に広げるか、楽な位置に置いてOKです。
② 片膝を曲げて反対側へ倒す
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右膝を軽く曲げ、左側(体の反対側)へゆっくり倒していきます。
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このとき両肩は床につけたままがポイント。
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胸や顔は正面(天井)を向いたままでキープしましょう。
③ 呼吸を整えながらキープ
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息を深く吐きながら、無理のない範囲で膝を床に近づけます。
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できる方は、上から手で膝を軽く押さえて安定させてもOK。
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10秒キープしたら、ゆっくり脚を戻します。
④ 反対側も同様に
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左膝を右側に倒して、同じように10秒キープします。
🔁目安回数
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左右それぞれ10秒ずつ、1日1〜2セット
💡ポイントと注意点
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腰に痛みがある場合は無理にひねらない
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呼吸は止めずに、自然に続けるのがコツ
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朝起きたときや、仕事終わりのリラックスタイムにおすすめ
🧘♂️効果のある部位
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腰椎(L4〜L5)周囲の回旋可動域の改善
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腰方形筋・外腹斜筋などのストレッチ
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骨盤周辺の柔軟性アップ
太もも裏ストレッチ(仰向け)

腰痛に悩んでいる方にとって、太ももの裏側(ハムストリングス)を柔らかく保つことは非常に重要です。この筋肉は骨盤とつながっており、硬くなると骨盤を引っ張り、腰痛の原因になることもあります。
✅ ストレッチの流れ(手順)
① 仰向けに寝て、膝を立てます
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リラックスできる場所に仰向けになります。
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両膝は軽く立てておきましょう。
② 片脚にタオルをかけて持ち上げます
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タオルまたは伸縮バンドを足裏に引っかけます。
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そのまま膝を伸ばした状態でゆっくりと天井方向へ脚を上げていきます。
③ ゆっくり頭の方へ引き寄せていきます
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膝はできるだけまっすぐに。
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タオルを使って足を自分の方へ引き寄せながら、太ももの裏に心地よい伸びを感じる位置で10秒キープします。
④ ゆっくり戻して反対脚も
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一度脚を戻したら、反対側の脚でも同様に行います。
🔁目安回数
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左右各10秒ずつ、1〜2セットが目安です。
💡ポイントと注意点
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無理に引っ張らず、「痛気持ちいい」範囲でOK
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腰が反らないように、お腹に軽く力を入れて行いましょう
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膝が曲がってしまっても構いません。できる範囲で行うことが大切です。
🎯効果のある部位
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ハムストリングス(太もも裏)
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坐骨まわりの筋肉
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骨盤の傾きを整える効果もあり、腰痛の軽減や予防に役立ちます。
前屈が辛い腰痛に対する対処法
前屈が辛い腰痛の場合、無理に前屈しようとすると悪化させる可能性があります。
腰を反らすと痛みが悪化し、前屈で軽減するタイプの腰痛(例えば、腰部脊柱管狭窄症)もあります。
Katz JNらの研究(2022)では、腰部脊柱管狭窄症は、世界で約1億300万人、米国では高齢者の約11%に影響を与えていると報告されています。
まずは、炎症や痛みを抑えることが大切です。痛みが強い時期は、安静にして患部を冷やすようにしましょう。痛みが落ち着いてきたら、無理のない範囲で太ももの裏や腰回りのストレッチを行いましょう。
腰部
絶対にやってはいけない腰痛ストレッチとは?

腰痛持ちの方にとって、ストレッチは諸刃の剣です。適切なストレッチは、硬くなった筋肉をほぐし、血行を促進することで痛みを和らげる効果が期待できます。しかし、誤ったストレッチは、かえって症状を悪化させ、痛みを長引かせる可能性もあるのです。
腰痛の種類や程度は人それぞれ異なり、ある人に効果的なストレッチが、別の人には逆効果になる場合もあります。自分の身体の状態を理解し、適切なストレッチを選ぶことが重要です。
腰を前屈させるストレッチの危険性
腰痛がある時、やってしまいがちなのが、腰を前屈させるストレッチです。立位や座位での体前屈のように、床に手が届くまで身体を折り曲げるストレッチは、一見、腰が伸びているように感じますよね。しかし、実はこれ、腰痛持ちの方にとっては危険な場合が多いのです。
例えば、椎間板ヘルニアがある場合、前屈すると椎間板への圧力が高まり、神経を刺激し、痛みやしびれが増強する可能性があります。また、腰部の筋肉が硬くなっている場合は、無理に前屈させると筋肉を損傷するリスクも高まります。
高齢者の場合、骨粗鬆症で骨が脆くなっているケースがあります。急な前屈で骨折してしまうリスクも考えられるため、注意が必要です。
なぜ、腰痛時に前屈が良くないのでしょうか?
腰を曲げる動作は、腰椎(腰の骨)と骨の間にあるクッション材である椎間板に大きな負担をかけます。健康な椎間板は柔軟性があり、多少の負担にも耐えられます。
しかし、腰痛がある場合、椎間板やその周囲の組織が炎症を起こしていたり、弱っている可能性があります。この状態で無理に前屈すると、椎間板への負担が増し、炎症の悪化や椎間板の突出リスクが高まります。
最近の研究では、ストレッチの強度を適切に調整することの重要性が指摘されています。例えば、30秒ごとにス一度筋肉を緩めてから再度ストレッチをかけることで、柔軟性がより向上することが示唆されています。
椎間板ヘルニアについて詳しくご覧ください↓
腰を反らせるストレッチで悪化する症状
腰を反らせるストレッチも、腰痛持ちの方には注意が必要です。腰を反らすと腰椎に負担がかかり、痛みが増す可能性があります。
特に、脊柱管狭窄症の方は、腰を反らすことで脊柱管がさらに狭くなり、神経を圧迫することで痛みやしびれが増強する可能性があります。
腰を反らせるストレッチは、腰椎の関節や靭帯にも負担をかけます。反り腰の方は、このストレッチによって反り腰が悪化し、腰痛を増長させる可能性があります。







