腰痛対策
腰痛改善対策その1 まずは危険度チェック! 受診orセルフケア?
腰痛になってしまったら、自分の腰痛をセルフケアで改善できるかどうか、次の[YES・NOチェックリスト]で診断してみましょう。
5つ以上の項目で「YES」ならセルフケアで改善可能ですが、「YES」が4つ以下の場合は専門医の治療が必要です。
◆1日のうちで痛みを感じない時間が(10分程度でも)ある。[YES・NO]
◆膝より下には痛みが出ていない。[YES・NO]
◆しばらく座っていると痛くなる。あるいは、立ち上がるときに痛みを感じる。[YES・NO]
◆前かがみの姿勢でいると痛みがひどくなる。あるいは、家事やガーデニングなどで長時間前かがみの姿勢をとった後で痛くなる。[YES・NO]
◆朝起きるときは痛いが、30分ほど経つと痛みがやわらぐ。[YES・NO]
◆歩いていると痛みがやわらぐ。[YES・NO]
◆うつ伏せでいると痛みがやわらぐ。(うつ伏せになって2〜3分は痛みがつよくなるが、そのままでいると痛みがやわらいでくるのであれば、答えはYES)[YES・NO]
◆ここ数カ月あるいは数年の間に何回も腰痛になっている。[YES・NO]
◆再発を繰り返している場合、腰痛のない期間はどんな動きをしても痛みがなかった。[YES・NO]
◆再発を繰り返している場合、腰痛のない期間は普段の生活で痛みは出なかった。[YES・NO]
◆お尻や太もも、ふくらはぎに痛みがある場合、腰に痛みは常にあっても、お尻や太もも、ふくらはぎに痛みをまったく感じない時間がある。[YES・NO]
また、以下の項目のいずれかに当てはまる人は、ストレッチなどのエクササイズはせず、専門医に相談してください。
[こんな症状は専門医を受診!]
●膝から下の痛みがひどく、脚や足の指先に力が入りにくい、感覚が鈍い、ピリピリするといった症状がある。
●最近、大きな事故にあって腰痛になった。
●腰痛になってから尿が出にくい。
●急性腰痛(ぎっくり腰)にともなって、倦怠感や体調不良を感じている。
●ガンになったことがある。
●熱がある、体温が高くなった。あるいは汗が出るようになった。
●腰痛に加えて他の症状が出てきた。
腰痛改善対策その2 的確な診断を得るために伝えるべきポイント
腰痛改善のために専門医を受診する際、症状の上手な伝え方を覚えておくと、より正確な診断につながります。伝えるべきポイントは5つです。
1)「いつから」
日ごとに腰痛は強くなっているか、同じ痛みが続いているのかなどを伝える。
2)「どこが」
腰のどの辺りか、背骨やお尻、脚も痛むのかなどを伝える。
3)「どんなふうに」
激しい痛みが続く、弱い痛みが続く、腰痛の強さの程度を伝える。
4)「どんなときに」
腰を曲げるとき、歩くとき、安静でも痛いなど、腰痛を誘発する動作を伝える。
5)「その他の症状」
脚やお尻のしびれ、麻痺、発熱など、腰痛以外の症状の併発があるか伝える。
腰痛改善対策その3 腰痛のセルフケア、日常生活での心がけ
腰痛になってしまったときに、どのように対処し改善していけばよいのでしょうか?
腰痛になってしまった場合のセルフケアや、腰痛にならないための日常生活での心がけについてご紹介しましょう。
悪い姿勢で座らない
腰痛を引き起こす姿勢で多いのが、猫背のような悪い姿勢での着座です。
そこで、座ったときに「腰椎前彎(ようついぜんわん)」をつくるようにしましょう。「腰椎前彎」とは腰椎のS字カーブ(腰の上のくぼみ)のことで、まっすぐ立つと自然に形成されますが、前かがみなど、腰を丸くするとなくなります。この悪い姿勢を長時間続けると、腰の靭帯が疲労して引き伸ばされ、靭帯が傷んで腰痛を引き起こします。
腰痛改善のためには、座る姿勢を正すことと、ある程度の時間が経ったら立ち上がる、動くなどの対策が大切です。
正しくものを持ち上げる
腰を丸めたままの間違った姿勢で重いものを持ち上げることは、腰痛持ちの場合、禁物です。
重いものを持ち上げる際には、その直前・直後に立った姿勢で腰を5〜6回反らせましょう。そして足を広げ、まずは立った姿勢での腰椎前彎を作ります。
次に、この腰椎前彎を保ったまましゃがみ、荷物をつかみ、バランスを保ちながら身体を少し後ろに傾け、膝を伸ばしゆっくり持ち上げます。このとき反動はつけません。荷物を降ろすときはこの逆の手順で行います。
正しい寝具を使う
寝ている時だけ腰が痛くなる、あるいは朝起きたら腰痛が起きていたという場合は、寝具に問題があるかもしれません。できるだけ正しい寝姿勢を保てるよう、腰に負担をかけず、身体の重みで沈み込まないマットレスや敷布団を選びましょう。とはいえ硬すぎるマットレスはよくありません。下にしっかりとした支えがあれば、指で押した痕がゆっくり戻るような中程度の柔らかさ の方が快適な場合があります。
適度に身体を動かす習慣をつける
腰痛になっても安静期間は2日間まで。適度に身体を動かすほうが改善も早くなります。おすすめは、毎日続けることができ、脳の血流を促し、痛みを抑える物質が増加すると言われる有酸素運動です。たとえばウォーキングや水泳などはいかがでしょう。
湿布薬や消炎剤で痛みを軽減する
痛みがつらいときには腰痛改善効果のある湿布薬や消炎剤の利用もひとつの方法です。痛みが軽減することで不安要素も軽減します。肌が弱くかぶれやすい人は、ローション剤やスプレーを使いましょう。
腰痛改善対策その4 ぎっくり腰改善のための正しい対処法
ぎっくり腰は、重いものを持ち上げたり、スポーツなどで腰をひねった時に起こることが多い、激痛を伴うつらい腰痛です。ぎっくり腰発症直後は、歩くのもままならないので安静にし、腰に負担をかけないように慎重に過ごしましょう。
[ぎっくり腰発症直後]
腰に負担のかからない、ラクな姿勢で安静にします。
・膝を軽く曲げ、横向きに寝る。
・仰向けに寝て、膝を軽く曲げ、膝の下にクッションを入れる。
・仰向けに寝て、低めの台に両脚を乗せる。
[ぎっくり腰発症後の日常生活の注意]
ぎっくり腰でゆがんだ関節を元に戻すにはある程度時間がかかります。ゆっくり慎重に腰椎前彎を回復させるように心がけましょう。
座る時間はなるべく短く
背もたれがまっすぐな椅子を選びます。低くて柔らかいソファは腰椎前彎が保てないので避けます。
前かがみになる動作は慎重に
掃除機をかける、歯を磨く、手を洗う、お皿を洗うなどの動作は、腰を曲げたり背中を丸めたりせず、腰椎前彎を保ちながら股関節から身体を前傾させるようにしましょう。
咳やくしゃみに注意
前かがみや座ったままでの咳やくしゃみは避け、その場で立ち上がって腰を反らせ、手を腰に当て支えながら。
持ち上げ動作はやめる
どうしても必要な場合は、前述の「正しいものの持ち上げ方」で。ただし持ち上げにくいものや15kg以上のものは避けます。