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筋肉痛の原因と予防法

筋肉痛の原因と予防法、早く痛みを和らげるには?

筋肉痛の原因と予防法、早く痛みを和らげるには?

がんばって運動した翌日、筋肉痛になった経験はありませんか?筋肉痛とは、不慣れな運動や激しい運動で傷ついた筋繊維が回復過程で炎症を起こしている状態です。痛みを早く緩和させるには、患部を温めたり、軽い運動を行って血行を良くすることが大切。予防には、運動前後のウォーミングアップやクールダウンが効果的です。

 

「筋肉痛」のメカニズム

休日にがんばって運動したら、翌日、ひどい「筋肉痛」に悩まされた経験はありませんか?
筋肉痛とは、不慣れな運動や激しい運動により傷ついた「筋繊維」が、回復過程で炎症を起こしている状態です。そのメカニズムは肩こりとよく似ています。
筋肉には、骨についている「骨格筋」、心臓を動かす「心筋」、内臓や血管を形づくる「内臓筋」の3種類があります。このうち、筋肉痛が起こるのは「骨格筋」で、その数は400種類以上にのぼります。

筋肉痛の種類と原因

筋肉痛には以下の2つの種類があります。

1. 即発性筋肉痛

運動した直後、早ければ運動している最中から起こる筋肉痛を「即発性筋肉痛」と言います。これは、筋肉が酸素欠乏に陥ることによって、痛み物質(プラジキニンやアデノシンなど)が蓄積することが原因と言われています。

2. 遅発性筋肉痛

運動してから数時間~数日後に起こる筋肉痛を「遅発性筋肉痛」と言います。一般的な「筋肉痛」はこちらを指します。
遅発性筋肉痛が起こる原因は、いくつかの説がありますが、これまでは「乳酸」を原因とする説が一般的でした。しかし、最近では、血液中の乳酸値は運動後すぐに低下することがわかり、乳酸を原因とする説との矛盾が指摘されています。
現在の有力な説としては、損傷した筋線維を修復する過程で炎症の痛みが発生したり、筋肉で生成された痛み物質によって、痛み刺激を感じ取る神経そのものが過敏になってしまうためだと考えられています。

運動をした翌日、あるいは2~3日経って筋肉が痛み出す原因については、まだ解明されていません。
また、「年を取ると筋肉痛が遅く出る」とよく言われますが、これも真偽は定かではありません。最近では「同じ運動をした後の筋肉痛の出方に、年齢による時間差は見られない」という報告もあります。

では、なぜ、「年を取ると筋肉痛が遅く出る」と感じる人が多いのでしょうか?
年をとると一般に運動不足になりやすく、若い時には何ともなかった程度の運動でも筋肉痛になること、運動の種類も年とともに変わること、血流の循環機能が低下することなどが関係しているのではないかと考えられています。

「筋肉が伸びる動き」に負荷がかかると筋肉痛になりやすい

運動中、筋肉は縮む動き(収縮)と、ゆるむ動き(弛緩(しかん))を繰り返しています。
重いものを持ち上げる時や階段を上がる時などは、筋肉が縮みながら力を出しています。これを「短縮性運動」と言います。反対に、重いものを下ろす時や階段を下りる時などは、筋肉が緩んで伸びながら力を出しています。これを「伸張性運動」と言います。
筋肉痛が生じやすいのは、伸張性運動の時です。縮んでいる筋肉を伸ばす時に何らかの「負荷」がかかると、筋肉痛が起こりやすくなります。

<筋肉に働く力>

負荷となるのは、例えばマラソンや階段の上り下りでは「体重」、ダンベルの上げ下げ運動では「ダンベル」になります。

<筋肉痛が起きやすい運動(伸縮性運動)>

筋肉痛の症状を緩和する方法

時間が経てば回復する筋肉痛ですが、できることなら早く痛みから解放されたいですよね。
筋肉痛の症状を緩和するには、主に以下のような方法があります。

1. 患部を温めて「血行」を促進する

患部を温めて、筋肉の「血行」を良くしましょう。心地よいと感じる温度(40~50度程度)でも長時間温め続けると「低温やけど」を起こすことがあります。蒸しタオルや電子レンジで温めるカイロなど、自然に冷めるものを使いましょう。

また、温め過ぎるとかえって血行が悪くなることがあるため、10~20分程度を目安にしてください。

2. 「熱を持っている時」のみ冷やす

スポーツ選手が試合後に、氷や冷却スプレーでからだを冷やしていることがあります。これは、筋肉を使い過ぎて「熱を持っている時」に行う対処法の1つで、15~20分程度患部を冷やします。
しかし、一般の人が運動をしても、スポーツ選手ほど筋肉を酷使することは、あまりありません。激しい運動をして、筋肉が熱を持っている時のみ冷やすようにしてください。熱が引いたら、反対にからだを温めて、血行を促進しましょう。

3. 「ストレッチ」や「軽い運動」を行う

痛いからといってじっとしていると、いつまでも血行が良くならず、筋肉痛の回復につながりません。無理をしない程度に、「ストレッチ」や「軽い運動」を行えば、次第に血流は良くなります。
筋肉痛の症状は、肩こりと似ています。「筋肉が硬くこわばった状態」という点ではどちらも同じですので、「肩こり」の対処法も参考にするといいでしょう。

4. 「ビタミンB1」を摂取する

「ビタミンB1」は、エネルギー代謝と疲労回復に効果があるといわれています。ビタミンB1を多く含む食品には、豚肉、鶏肉、カツオ節、大豆、インゲン豆などがあります。

5. 「塗り薬」や「貼り薬」で痛みをおさえる

「塗り薬」や「貼り薬」も筋肉痛の緩和に効果的です。

筋肉や関節の痛みを和らげる「インドメタシン」や「フェルビナク」が入ったもの、血行を促進する「ビタミンE」や「アルニカチンキ」、炎症をおさえて痛みを鎮める「サリチル酸グリコール」が配合されているものなど、様々なタイプの薬が市販されています。
貼り薬は患部を冷やす「冷感タイプ」と、温点を刺激する「温感タイプ」に大きく分けられます。一般的に熱をともなって筋肉が痛む場合は「冷感タイプ」を使いますが、説明文書をよく読んだ上で、自分に合うものを選びましょう。

6.市販の「解熱鎮痛薬」を服用する

痛みがつらくて我慢できない時は、痛みをおさえる、市販の内服タイプの「解熱鎮痛薬」を服用するのも1つの方法です。
ただし、解熱鎮痛薬は一時的に痛みをおさえてくれますが、筋肉痛の根本解決にはなりません。温める、ストレッチをするなど、血行を良くすることも積極的にしていきましょう。

7. 睡眠をしっかり取る

からだの疲労回復には、十分な睡眠時間と良質な睡眠をとることが大切です。睡眠中に分泌される成長ホルモンは筋肉を修復する働きがあります。成長ホルモンは睡眠が深い時に分泌され、筋肉もしっかり回復します。

 

なお、筋肉痛は通常数日ほどでおさまりますが、1週間を経過しても痛みが続く場合は、他の病気や怪我の可能性もあります。早めに受診し、医師に相談することをおすすめします。

筋肉痛の予防法

筋肉痛に悩まされていると、「防ぐ方法はないものか?」と思いますよね。日頃よりからだを鍛えておくことがベストですが、なかなかそうもいきません。しかし、ちょっとした心がけで筋肉痛の発生をおさえることができます。
例えば、運動前のウォーミングアップや運動後のクールダウン。また、ウォーミングアップ前にアミノ酸を摂取したり、運動した日の夜はゆっくり湯船につかったりするなどして、血行を促進させることも筋肉痛予防に有効です。
以下に、おもな筋肉痛の予防法をご紹介します。

1. 運動前に「ウォーミングアップ」をする

運動前にストレッチや、軽いランニングをしましょう。「ウォーミングアップ」をすることで、血行が良くなります。また、ウォーミングアップは、ケガの予防にもつながります。

2. 運動後に「クールダウン」をする

激しく動いたあと、急に動きを止めると、血液の循環が急激に落ちます。疲れていても血流を持続させるために、軽い運動を行い、徐々にスピードを下げてから停止すると良いでしょう。
また、「クールダウン」のあとは、よく使った筋肉をもみほぐすために、ストレッチをしましょう。

3. ぬるめの「お湯」につかる

筋肉を酷使した日は、ゆっくり湯船につかって、からだの血行を促進させましょう。
入浴方法は、38~39℃のぬるめのお湯に鎖骨までつかる「全身浴」がおすすめです。ただし、血圧などに不安がある方は、「みぞおち」までつかる「半身浴」にしておきましょう。からだ中の血管が広がって、血流が促進されます。入浴しながら、疲労している筋肉を軽くマッサージすれば、血流はさらに良くなります。

4.運動前に「アミノ酸」を摂取する

「アミノ酸」は、筋肉内でエネルギー燃焼に作用するため、スタミナアップに効果があります。およそ30分で体内に吸収されるため、運動前に補給しておくと良いでしょう。

5.水分をしっかり摂る

野外運動などトイレに行きにくい状況の時は、つい水分を控えてしまうこともありますね。でも、汗をかいて血液中の水分が失われると、血の循環が悪くなります。運動前には必ず水分を摂り、運動中もこまめに水分補給をしましょう。また、運動後は、のどの渇きを感じていなくてもしっかり水分を摂りましょう。

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筋トレ後に筋肉痛が起こったらどうしたらいい?

筋トレのカギは「筋肉痛」!回復時に筋肉がパワーアップします

筋肉痛が回復する時、筋肉は、単純に筋肉痛になる前の状態に戻るわけではありません。筋繊維が修復する時に、以前より少し太く大きな筋肉になります。この、傷んだ筋肉が回復時に、よりパワーアップする現象を「超回復」といいます。超回復を繰り返すことによって、筋肉が鍛えられていくのです。

筋トレ中だと「筋肉痛が治まるまでの間も、トレーニングを休みたくない!」と思う人も多いようですが、痛みが残っている中で筋トレをするのは逆効果。かえって筋肉が小さくなる可能性があります。筋肉が成長するまでは筋繊維に新たな負担をかけないよう、痛みが治まるまで1~2日以上待つといいでしょう。その間は筋肉痛を感じる部位とは別の筋肉を鍛えるのもいいですね。筋肉痛と上手につきあって、素敵な筋肉をつけてくださいね。