膝の痛みを改善するつぼ
膝の痛みを改善するツボを利用した血流改善
膝に痛みがあると血行が悪くなり、痛みを生み出す発痛物質が放出されて、ますます痛みが増強されてしまいます。この「痛みの悪循環」を断ち切る方法として、血行促進が有効です。血流が良くなると、発痛物質が押し流されて筋肉の緊張もほぐれるため、痛みを和らげる効果があるとされています。東洋医学では、ツボへ刺激を与えて血流を促します。膝の痛み対策に効果的なツボを知り、ケアしてみましょう。
東洋医学でいう「ツボ」とは?
東洋医学では、病気になったり体調不良になったりするのは、「気」と「血」の流れが悪くなるせいだと考えられています。気血とは生命エネルギーを意味します。その気血を司るのが、経絡と経穴です。気血が流れるルートを経絡といい、全身に12本の通り道が張り巡らされています。そして、経穴というのがいわゆるツボのこと。皮膚にある特定のポイントで、経絡を通じて体内の臓器とつながっています。WHO(世界保健機関)では、361の経穴が認められています。
膝の痛みに効くツボ
- 内膝眼(ないしつがん)、外膝眼(がいしつがん)
- いわゆる「膝のお皿」のすぐ下にある外側と内側のくぼみです。内側を内膝眼、外側を外膝眼といいます。
- 委中(いちゅう)
- 膝の裏側中央にあるツボです。
- 梁丘(りょうきゅう)
- 膝の皿の外側にある出っ張った骨から、指3本分上にあるくぼみです。
血の巡りをアップする方法
ツボに刺激を与えると、血流アップにつながります。次のような方法を試してみましょう。
鍼(はり)
ツボに鍼をさす方法です。「はり」と聞くと、注射や裁縫などで使う針を想像するかもしれませんが、治療用に使う鍼とは大きく異なります。鍼をさしたときの痛みの感じ方には個人差があり、体調によっても変化します。鍼に電気刺激を加える場合もあります。
お灸
ヨモギの葉の裏にある白い綿毛からできた「もぐさ」を使う民間療法です。もぐさをツボに置き、火をつけて温めて、血流を促します。お灸というとお年寄りのイメージがあるかもしれませんが、最近では20〜30代の女性の間でブームとなっています。火を使わないタイプやアロマが香るタイプなど、さまざまな種類が販売されており、自宅で気軽にセルフケアができます。
カイロ
ツボの場所がわかりにくい場合は、大きめのカイロでツボを囲むように温めてみましょう。効率的に膝周りの血流を促すことができます。ただし、肌に直接カイロを貼ったり、カイロを貼ったまま眠ったりすると、気づかないうちに低温火傷を起こす恐れがあります。長時間、同じ場所にカイロを当てるのは避けて、熱いと感じたらすぐに外しましょう。
このように膝の不調に有効な血行促進は、セルフケアでできることも多くあります。「痛みの悪循環」を断ち切って、長期的な膝の健康を守れると良いですね
膝の痛みを予防する肥満解消ダイエット
定期的に体重計に乗っていますか? 実は、膝の痛みには体重が大きく関係しています。体重が増えれば増えるほど、当然ながら膝にかかる負担が大きくなるほか、膝に痛みがあると運動不足になり、さらに体重増につながるという悪循環に陥りがちです。体重を上手にコントロールして、膝の痛みを予防・改善しましょう。
肥満が膝の痛みに与える影響
私たちが日常生活で、歩く、立つ、座るなどの動作がスムーズにできるのは、膝の関節が正常に機能しているからです。人が歩くときには体重の2〜3倍、階段の上り下りをするときには6〜7倍もの負荷が膝にかかっています。つまり、体重が重くなるほど、膝にかかる負担も大きくなるわけです。
肥満の人は膝にかかる負担が大きく、クッションの役目を果たしている軟骨がすり減りやすくなります。その結果、骨同士がぶつかりあって炎症を起こし、膝痛が生じるのです。
また、太っている人の膝は内側に余計な負担がかかり、O脚傾向になります。O脚が進むと、内側の軟骨がすり減って、ますます関節の内側に負担がかかります。膝への負担を軽減するために、適正な体重を保つことが大切です。
体重をコントロールする方法
肥満を解消するには、食事と運動の両面からのアプローチが必要になります。体重コントロールに焦りは禁物です。月に1〜2kgの減量ペースを目標にしましょう。
食事
摂取カロリーを抑えつつ、1日3食きちんと食べるのが基本です。主食・主菜・副菜を組み合わせて、必要な栄養素をバランスよく摂取しましょう。代謝をサポートする「ビタミン」「ミネラル」を含む食材を積極的にとり、野菜・きのこ類・海藻類は1日に350g食べることを意識してみてください。反対に、甘いものや脂っこいものはできるだけ控えましょう。同じ量の食事でも、ゆっくり食べたほうが満足感を得やすくなるので、食べ過ぎを防ぐためにも、しっかり噛んで食べましょう。
運動
体重を減らすには、運動を習慣化することが大切です。とはいえ、今まで運動をしていなかった人がいきなりハードな運動をしようとしても長続きしませんし、膝を痛める原因にもなります。無理のない範囲で行うのがポイントです。
ウォーキングや水泳、軽いジョギングといった有酸素運動と、筋トレなどの無酸素運動を組み合わせると、さらに効果が高まります。しかし、いきなり運動を始めると、ケガなどのトラブルを招きかねません。運動前後にはストレッチを取り入れましょう。
膝の痛みの緩和や予防だけでなく、長期的な健康管理につながる体重コントロール。無理のない範囲で生活習慣の改善を行い、習慣化していきましょう。