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疲労回復の食事

疲労回復のメカニズムをよく知れば、効果的な回復方法が見えてきます。

疲労回復のコツ-イラスト

疲労は、肉体的疲労、精神的疲労、神経的疲労の3つに大きく分けることができます。

肉体的疲労の主な原因は、筋肉を動かすためのエネルギーの不足と、疲労物質(乳酸)の蓄積。ガソリンが切れた車が動かないのと同じように、筋肉もエネルギー不足の状態では力を発揮することができません。また、糖質が分解されてエネルギーとなるときにできるのが乳酸。筋肉は酸性に弱いため、乳酸が多く蓄積されると十分に働けなくなります。それが疲れやだるさ、筋肉の張りとなってあらわれます。

また、同じ姿勢を続けるなど、一部の筋肉が緊張を続けていれば、そこに乳酸がたまり、確実に筋肉の働きは悪くなります。さらに、筋肉は適度に動かさないと萎縮し、どんどん弱くなっていきます。動かないことが、もっと疲れやすい身体を作ってしまうのです。

精神的疲労は、人間関係や悩み事などのストレスを原因とする心の疲れ。神経的疲労は、デスクワークなどで視神経や脳が緊張した状態が続くことによって起こる、頭の疲れです。

疲労回復のコツ-イラストこれら3つの疲労は、互いに密接に関係しており、放っておくとさらにしつこい疲労へとつながります。たとえば、脳が緊張している間は、交感神経の働きにより内臓や筋肉が働き続けているため、身体へも疲れがたまっていきます。また、身体や脳の疲れは自律神経のバランスを乱し、精神状態にも影響を与えます。

疲れはこじれる前に、すっきり解消しておくことが大切。
そのためには、姿勢休養睡眠運動食事の、5つの方向からアプローチしていく必要があります。それぞれ、疲労回復につなげるちょっとしたコツを知れば、すぐに実践できるものばかり。

今度の休日は、ゴロ寝するより効果的な「積極的疲労回復の日」にしてみませんか?

 

効率的に疲れを取る! 5つのポイント

ポイント1─姿勢

デスクワークや家事などで長い時間同じ姿勢を続けていると、一部の筋肉が緊張し、そこに乳酸がたまってきます。さらに動かさない筋肉は血行が悪く、乳酸が流れ出にくいため、なかなか疲れが取れません。筋肉に負担をかけすぎないようにするには、正しい姿勢を心がけましょう。

疲労回復のコツ-イラスト 疲労回復のコツ-イラスト

ポイント2─休養

疲労回復のコツ-イラストゴロゴロ横になっているだけが休養ではありません。心と身体をリフレッシュする時間を持つことが大切です。

お風呂は浮力・水圧・水温の働きで筋肉を緩ませ、血液循環をよくします。この時、体内の老廃物を排出させるとともに、神経の緊張も心地よくほぐしてくれます。

ぬるめのお風呂にのんびり入って、リラックスしましょう。このとき、お風呂の中で、疲れている部分をマッサージするとより効果的です。

ポイント3─睡眠

疲労回復のコツ-イラスト睡眠は脳や身体を休めるとともに、成長ホルモンが分泌されて細胞が活発になったり、食べ物が消化吸収されて栄養が蓄えられます。

明日の活力になるエネルギーが作られる、大切な時間なのです。

心地よい眠りが得られるよう、寝室の照明や枕の高さを工夫してみましょう。

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ポイント4─運動

筋肉にたまった乳酸は、適度に体を動かすことでよりスムーズに排出されます。
疲れたからとゴロゴロ動かないでいると、乳酸の排出が遅れ、なかなか疲れが取れません。散歩のすすめ
適度な運動は、筋肉や内臓の働きを活発にし、血液の循環を良くするうえ、疲れにくい元気な身体を作ることにも役立ちます。また、自然の中をのんびり散歩することは、心のリフレッシュにも最適。自分のペースで楽しみましょう。

ポイント5─食事

1.1日3食、とくに朝食・昼食をしっかり食べる
朝食や昼食を軽くすませるのが習慣になると、ミネラルやビタミン類などの微量栄養素が不足しがちになります。 また、夕食をたくさんとると睡眠中に胃腸が休まらず、翌朝まで負担がかかります。2.時間をかけて、よくかんで食べる
食べ物の消化吸収は、ゆっくりくつろいだ状態のときに、よりスムーズに行われます。早食いであったり、よくかまないで食べると、消化不良をおこし、胃腸が疲れてしまいます。3.ビタミンB1・B2をとる
ビタミンB1が不足すると、糖質の代謝がうまくいかず、乳酸が体内に蓄積されやすくなるため、だるい・疲れやすいなどの症状がおこります。また、ビタミンB2もタンパク質や、脂質・糖質の代謝に関与する重要な栄養素です。不足すると口内炎などができやすくなります。
ビタミンB1を多く含む食品  豚肉、レバー、胚芽米、枝豆、きのこ類など…
ビタミンB2を多く含む食品  レバー、さば、ししゃも、納豆、小松菜など…

4.カルシウム、鉄をとる
カルシウムは骨を丈夫にする他に、筋肉をスムーズに動かす働きがあります。また、鉄は体内の酸素を各細胞に運ぶ役目があるため、不足すると運動能力が低下し、疲れやすくなります。
カルシウムを多く含む食品  牛乳、乳製品、小松菜、大豆、大豆製品、小魚など…
鉄を多く含む食品  レバー、あさり、大豆、大豆製品、ひじきなど…

5.食欲のないときは、 消化しやすい食品を効果的に使う
オクラ、山芋、モロヘイヤなどはタンパク質の分解を助け、消化吸収を高める作用があります。また、しょうが、みょうが、しそ、ごまの風味、柑橘類や梅干しの酸味などで味にメリハリをつけ、食欲を増進させるのもよいでしょう。

6.アルコール、タバコは控えめに
アルコールを大量にとると、その分解のため肝臓が余計に働くので、疲れやすくなります。  タバコを吸う方は、吸わない方よりも、体内のビタミンやミネラル類をこわしやすいので、食事でより多くとる必要があります。