ある日突然肩に痛みが走り、腕が上がらない。上着の袖に腕を通すのがひと苦労。気づいたら痛みで夜も眠れない…。その症状は四十肩・五十肩かもしれません。「歳だからしょうがない」とあきらめていませんか?動かさずにじーっと我慢していませんか?放っておくと日常生活が不便になるばかりでなく関節周りが固まってしまうことも。そこで、今回は痛みの予防と回復のために、今日からできるカンタン体操をご紹介します。
四十肩・五十肩とは?どうして起こるの?
四十肩、五十肩は、その名の通り40代で症状が出れば四十肩、50代で症状が出れば五十肩と呼ばれているだけで、違いはありません。正式名称は肩関節周囲炎。肩こりとは別物です。肩こりが筋肉の疲労や血行不良が主な原因なのに対して、四十肩・五十肩は加齢による肩関節の炎症。時が経てば自然と治ることもありますが、放置すると、関節が癒着して動かなくなることもあります。痛みが強い急性期には、三角巾・アームスリングなどで固定し安静を計ることが必要ですが、急性期を過ぎたら、痛みや症状が長引くのを防ぐに運動療法を取り入れるのがよいでしょう。
症状をチェックしてみよう
あなたの肩の痛みはどのような感じですか?以下チェックに1つでも当てはまれば要注意です。
☑腕を上げると痛む
☑服を着る時に肩が痛む
☑頭を洗う時に肩が痛む
☑手を後ろに回せない
☑寝返りを打つ時に肩に激痛が走る
はじめよう!四十肩・五十肩解消のカンタンストレッチ体操
肩関節(肩甲上腕関節)を形成しているのは肩甲骨と上腕骨(二の腕の骨)です。その骨をつなぐローテーター・カフ(回旋筋腱板)という筋肉群は、肩のインナーマッスルと呼ばれ、肩関節を安定させる働きがあります。
ローテーター・カフは、腕を使う全ての運動に密接に関係しているため、ひとたび炎症が起こると日常生活はかなり不便な状態になります。痛みが強い急性期は、関節が動かないように固定して安静にしていることがいちばんですが、急性期を過ぎても関節を全く動かさないでいると、筋肉が凝り固まってしまいます。
そのため、四十肩・五十肩を改善するには、「筋肉を動かすこと」が重要です。ただし、誤った動きで痛みを悪化させないよう十分注意して動かす必要があります。
肩関節は「立っている」「座っている」だけでも「腕の重さ」+「重力の負荷」に耐え、腕が抜けないように支え続けていますので、その状態からさらに重力に抗う動き(腕を上げる、重い物を持つ)をすると肩関節に大きな負荷をかけることになります。
そこで、関節に余計な負担をかけずに血行を良くするカンタン体操をご紹介します!
振り子体操
① 片手をテーブルなどについて上半身を少し前屈みにします。
② もう片方の手をだらんと垂らし、そのまま前後左右に10〜20回程度小さくゆすります。腕の重みと反動がやさしい負荷となります。
③ 無理がなければ円を動く動きにもトライしてみましょう。
④ 痛みがない場合はペットボトルなどを持ち、少し負荷を上げるとさらに強化できます。
肩甲骨のアップダウン体操(四つん這い)
① 手首が肩の真下にくるよう四つん這いになります。
四つん這いのポーズは腕に重力の負荷をかけずに肩関節を安定させる、ローテーター・カフが休まる姿勢です。手首が痛い人は手を握りグーの状態でカラダを支えるか、手の下に柔らかいタオルなどを敷いて手首を守りましょう。
② 肩甲骨を頭の方へゆっくりと近づけていきます。その際、肘が曲がらないように注意してください。頭・背骨・骨盤は動かさずに肩甲骨だけを動かすのがポイント。耳と肩が近づくような、首をすくめるようなイメージを持ちましょう。
③ 肩甲骨を臀部の方へと戻していきます。耳と肩との距離が広がって背骨が伸びていくようなイメージを持ちましょう。
④ ②〜③を5〜10回程度繰り返します。
シンプルな動作のわりに、重力の向き(垂直)と動きの向き(水平)が異なるため難しく感じるかもしれませんが、頭の中で動きをイメージしながら行ってください。
肩甲骨のアップダウン体操(座位)
※四つん這いでの肩甲骨のアップダウン体操が難しいと感じた方向けのバージョンです。
① 椅子に座って姿勢を正し、両手を体側にだらんと垂らします。
② 背骨を動かさないようにして肩をゆっくりと上げていきます。肩が耳の方へ近づくイメージで首をすくめてください。
③ 背骨は動かさずに肩を下げていきます。肩甲骨をズボンのお尻のポケットにしまい込むイメージで耳と肩との距離を広げていきましょう。
④ ②〜③を5〜10回程度繰り返します。
肩甲骨のアップダウン体操(四つん這い)と同じ動作ですが、座位の方が腕の重さの分、負荷が大きくなります。でも、重力の向きと動きの向きが同じため、四つん這いで行うよりカンタンに感じるはずです。
痛くて眠れない時のカンタンケア方法
寝返りを打つときに激痛が走り、痛くて眠れないという方は、以下の対策を試してみてください。
大きめ腹巻きでケア
大きめの腹巻きに痛い方の腕を入れてカラダに沿わせるように軽く固定します。
腕が必要以上動かず肩関節が安定するため痛みの緩和に役立ちます。
タオルで肩の安定ケア
パジャマの中の肩部分にタオルを入れてみましょう。肩の固定をすると同時に首から肩にかけての冷えを予防します。
【要注意!】四十肩・五十肩の人におすすめ食材
四十肩・五十肩は、血行や代謝をアップさせることで、治癒を促し、痛みを緩和させることが期待できます。そのため、血行を促す、生姜、長ネギ、シナモン、葛などの食材がおすすめです。生ものや冷たいものは控えましょう。水分代謝を滞らせるもち米やギンナンなども控えた方がよいでしょう。水分代謝を促すためには、はと麦茶や小豆茶などがおすすめです。
日々のカンタン体操や食べ物に加えて、漢方薬を取り入れることもおすすめです。大人になるにしたがって、長時間のデスクワーク、人間関係のストレスなど、「気」「血(けつ)」のめぐりを悪くする要因が増えてきます。漢方薬では、「気」「血(けつ)」の不足を補い、肩こりや四十肩・五十肩に効果があるものもあります。ぜひ、試してみてくだささい
四十肩・五十肩は加齢によるものが多く、特徴として肩をあげたり水平に保つのが難しくなります。そのため、洗濯物が干しづらくなった、肩よりも上のものが取りづらくなった、背中のファスナーがあげられないなどの症状が現れます。肩を動かした時に痛みが出たり、腕を後方に回せない、なかなか肩があげられないなどの症状がでます。 四十肩・五十肩はなぜ起こるのか 四十肩、五十肩は、肩の関節にある「腱板」という組織が炎症を引き起こし「関節包」に広がる事で起こります。これは老化に伴い、筋肉や腱の柔軟性が失われスムーズに動かなくなるからと言われていますが、実際のところ原因ははっきりしていません。 四十肩・五十肩の症状 四十肩、五十肩は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ肩関節に痛みがでます。そのため、腕を持ちあげるような動きが難しく、中でも腕を外側に回すような動作などは、特に痛みを感じます。 髪を後ろに束ねる、電車でつり革をつかむ、洋服を着替える、洗濯物を干す、エプロンの紐を結ぶ、シャンプーをする、歯を磨くなどなど。 ただ「痛みがある」というだけでなく、いつもの簡単な動作が困難になり、日常生活に不便を感じる方もいます。 四十肩、五十肩は、痛みの強い「急性期」と、痛みは落ち着いているが思うように肩が動かせない「慢性期」に分けられ、ほとんどの場合、経過と共に痛みは改善していきます。 急性期では 鈍痛、肩のあたりが重苦しい感じ、肩の関節がピリッと痛むといった症状があり、感覚異常もでたりします。そして肩周りの感覚が鈍くなってくる、腕に違和感を感じる、首や肩のあたりに張りを感じるといった症状がでます。痛みとしてはズキズキと、うずくような痛みがあり、肩を動かす際に痛みを感じる、朝晩に痛みが強くなってくる、夜間時痛・安静時痛、動いても痛いし、何もしなくても痛い、夜寝る時に痛みがあり寝つけない、痛みで目が覚めるといった状況に陥ってしまいます。 慢性期 夜間時痛、安静時痛は軽くなる、過度に動かしたときに、強いつっぱりを感じる、急性期の痛みにより、動かさない状態が続くことで関節が硬くなり、動かせる範囲が狭くなるといった症状になります。 ケアの仕方について はっきりとした原因がわかっていない四十肩、五十肩ですが、悪化させないためにも状態に合ったケアが必要です。セルフストレッチやセルフマッサージなど硬くなってしまっている組織をほぐし、組織の柔軟性を向上させるためにとても重要ですが、これらは症状を悪化させてしまうリスクがあるため専門家の指導の下行った方がいいですね。 運動療法 四十肩、五十肩の治療法としては、「運動療法」をメインにしたリハビリを行います。ストレッチや振り子運動は肩関節の緊張をほぐし、痛みの緩和と、関節の可動域を広げる事を目的とします。四十肩、五十肩はどちらか一方に発症する事が多いので、痛みのない側の予防策としても日々取り入れていく事が望ましいです。 温熱療法 患部の血行を良くすることで、治癒を促し痛みの緩和が期待できます。 温熱療法は、ホットパックや、超音波といった治療機器を使った治療がありますが、自宅では入浴や蒸しタオル温湿布などを使い温める方法があります。 寒冷療法 四十肩、五十肩で痛みが激しく、熱を持っているような場合には、炎症を抑えるため冷やすのも有効です。これはアイスパックなどを使うのですが、準備に時間がかかったり、凍傷を起こす可能性もある為、自宅で行う場合は注意が必要です。冷湿布も有効です。ただ、長い時間冷やし続けてしまうと筋肉が硬くなるので、痛みが軽くなったら温湿布に切り替え血行を良くします。 四十肩、五十肩の夜間痛の緩和と寝方のコツ 四十肩、五十肩になると、就寝時にも痛みが出る「夜間痛」が出やすくなります。その為、寝不足になりがちで精神的も肉体的にもかなり辛い状況に。特に動かしているわけでもないのに、なぜ寝ている時に肩の痛みが出るのでしょうか。 私たちの体は楕円形の様な形をしており、腕は肩関節、肩甲骨とつながっています。この肩甲骨は体の曲線にそって、少し角度が付いています。 その為、平らな床にあおむけで寝ると、重力によって肩の位置が押し下げられ関節に負担がかかるのです。 肩を痛めていない人であれば、全く問題ない差異ですが五十肩、四十肩に人にとっては収縮した筋が引き伸ばされたり、ゆがんだ力が加わる事で大きな痛みの原因になります。就寝時の対策としては、肩が押し下げられないように、寝具の角度をバスタオルや枕を使い調整してみましょう。
当院では、西洋医学や東洋医学など多角的に症状がどこからきているのか全身見立てで、症状改善を図ります! 筋緊張を和らげるため、手技療法を加えて、全身的に体をよくします。 また、超音波、微弱電流、ハイボルテージ等物理療法を個々の症状に合わせ早期回復を目指します。 その後運動療法として再発防止、体の機能、使い方の向上のため、セルフストレッチ、チューブトレーニング、ボールエクササイズ等運動指導を行います! また、EMSを用いて肩のインナーマッスル筋力強化を行ったり、インナーマッスルとアウターマッスルのバランスを整えることも可能です! |