腰痛には歩くことが大事なのか?
腰痛とウォーキング
運動が慢性腰痛に対して効果的であることは多くの研究で明らかとなっています。
2017年にアップデートされたアメリカの腰痛ガイドラインによると、一番始めに選択されるべき治療法は、薬に頼らない状態で行う運動と明記されています。
しかしながら、運動といっても種類は様々で、何から始めたら良いか分からないという方も多いのではないでしょうか?
代表的な運動にウォーキングがありますが、今回は慢性腰痛に対する効果について、ウォーキングと他の運動を比較した最新の研究治験をご紹介します。
慢性腰痛に対するウォーキング(実施期間:6〜8週間)と、他の運動(筋トレやストレッチ等の効果)を比較した医学論文(対象:18歳以上の成人)を調べた結果、ウォーキングには、腰の痛みやそれに伴う日常生活の障害、腰痛に対する恐怖心の改善効果があることが認められました。
またその効果は、短期間(〜3ヶ月)だけでなく、長期間(6ヶ月〜)継続することがわかっています。
さらに、ウォーキングと筋トレやストレッチ等と比較をしたところ、同程度の改善効果が得られた事が報告されました。
一方、ウォーキングとその他の運動を同時に行った場合は、それぞれを単独で行った場合と比較して、慢性腰痛の改善効果に差は認められませんでした。

ドーパミンが慢性腰痛を改善する
では、ただ歩くだけのウォーキングでなぜ腰痛が改善したのでしょうか?
実はウォーキングなどの有酸素運動をすることで、脳の痛みを抑制する物質(ドーパミン)の分泌が活性化され、痛みを抑制する働きが活発になることが明らかになりました。通常、脳からドーパミンが放出されると、痛みの信号を脳に伝える経路が遮断されます。
この仕組みによって、腰痛が気にならなくなったり、我慢できるようになるのです。
また、腰痛と共に感じやすいストレス、うつ、不安などのネガティブな感情を長い間持ち続けていると、脳でドーパミンが放出されにくくなり、腰痛が長引いたり、わずかな痛みでも強く感じたりするようになってしまいます。少しウォーキングをすると、気分がスカッとするのはドーパミンの放出が活発になることによる効果であり、その結果、腰痛も改善していく可能性があります。
通常は3ヶ月もすると体組織は治癒しますので、3ヶ月以上腰痛が続いている場合は、組織以外の部分に原因があることが多く、その際にこのドーパミン効果がよく報告されます。つまり慢性腰痛の方はこの方法を試してみる価値があります。この有酸素運動は1回につき20分以上で、週2回実践すると効果的とされています。
ウォーキングの良いところは、特別な器具を必要とせず、ジムなどに行かなくても手軽に行える点です。
もし慢性腰痛に悩んでいて、ストレッチや筋トレは気が進まないという方は、まずはウォーキングから 始めてみてはいかがでしょうか。 いきなり長い距離から始める必要はありません。 短い距離から、少しずつ距離を伸ばしていきましょう。 もちろん、腰に負担がかかりにくい有酸素運動であれば体操や水泳など、ウォーキング以外でもOKです。
楽しく続けられる運動を見つけて試してみてください。







